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ベネッセ情報漏えい、お詫びの手紙で募金呼びかけに批判殺到?真相をベネッセに聞いた

文=山名宏和/放送作家
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●連絡がつかなかった人の分の受け皿?

 そこで、ベネッセコーポレーションお客様本部・個人情報問い合わせ窓口に直接聞いてみた。

「なぜ、お詫びの手紙で寄付を募るのですか?」

担当者 この度は、ご心配ご迷惑をおかけ致しまして、大変申し訳ございません。確かに、私どもの文面ですと、趣旨が違うのではと誤解されても仕方ないと考えております。今回、文面からお伝えできなかったことがございまして、まずこども基金は、弊社としましてはこの件で社会的責任があると思いますので、子どもの将来への安心・安全への活動に、または、個人情報保護に向けた社会的な取り組みに、さらに経済的に苦しい重い病気を抱える子どもたちへの学習支援のために設立を決めました。

–寄付を募るのは、被害者の反発を招きかねないとも思われますが。

担当者 お詫びの品ですが、どうしても引っ越しなどで連絡がつかない方々がいらっしゃいます。そういう方々にお渡しできずに弊社へ戻ってきた分を私どもが使うわけにはいきませんので、このように受け皿を作って、NPO団体のような外部の意見や専門家の意見を取り入れながら設立した次第なのです。しかし、言葉が足りず大変申し訳ございません。

–この電子マネーと図書カードを受け取らなかった人の分として、500円がこども基金へ寄付されるということですか?

担当者 さようでございます。どうしても連絡がつかない方がいらっしゃいますので、そちらの方々への分に加え、弊社も特別枠で基金へ寄付をさせていただくのですが、今回の文面で寄付を募るのはタイミング的におかしいというご意見は本当に多数ございます。

–今回の情報漏えいの被害者から戻ってきた500円分以外でも、寄付を募っているということですか?

担当者 いえ、寄付を募っているということではございません。文面からはそう受け取られるかもしれませんが、あくまでもお詫びが先でございます。また改めましてホームページ上でも何に利用するかなどを発表いたしますので、ご意見をそちらの窓口にお伝えいただければと思います。

–ちなみに、今回、寄付の意思表示をしている人はいるのですか?

担当者 電子マネー、図書カードを選択される方が多数ですが、ご年配の方の中には寄付される方もいらっしゃいます。

 直接聞いても、いまひとつ事情がわからない。「私どもの文面では誤解されても仕方ない」と言っていたが、本来伝えたいことはなんだったのだろう。連絡がつかなかった客へ支払うはずのお詫び分を寄付するための基金だと言いたかったのか。それであの手紙だったら0点だ。

 あくまでも連絡がつかなかった客の分の受け皿だと説明してはいるが、当初はお詫びの手紙を受け取った客が、「500円くらいならいらない」とあっさり寄付することを期待しながら、いざふたを開けてみたら批判的な意見が多かったので、慌てて取り繕った説明をしているのではないかという疑問を世間から抱かれかねない。

 もし本気で「あの文面では誤解されても仕方ない」と思っているなら、個人情報漏えい以上に事態は深刻だ。こんな作文もできない企業に、子どもの学習など任せられない。
(文=山名宏和/放送作家)

●山名宏和(やまな ひろかず) 1967年、東京にて誕生。放送作家。『行列のできる法律相談所』『ザ!鉄腕!DASH!!』(共に日テレ系)などを手がける。

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