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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

高濃度茶カテキン茶は危険!脂肪燃焼のウソ?肝障害の恐れ、海外では販売中止

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
高濃度茶カテキン茶は危険!脂肪燃焼のウソ?肝障害の恐れ、海外では販売中止の画像1「Thinkstock」より

 もう50年以上も昔のことですが、筆者が子供の頃、夏休み中に近所の子供たちの町内対抗の野球がありました。その試合中に八百屋のおじさんが、大きなすいかをグラウンドに持って来て、その場で切って大胆に塩を振って振る舞ってくれました。敵チームも、いつもは仲良く遊んでいる友達ばかりですから、試合を一時中断して一緒にすいかを食べ、その後、試合を続行しました。その試合に勝ったのかどうか記憶は定かではありませんが、そんなことはどうでもよかったのでしょう。覚えているのは、そのすいかがすこぶるおいしかったことです。

 考えてみれば、これは理にかなっています。つまり、汗をかいてミネラル分が足りなくなったところに、すいかに含まれるカリウムと塩のナトリウムを補給しているわけですから、おいしく感じないわけがありません。

高濃度茶カテキン茶は危険!脂肪燃焼のウソ?肝障害の恐れ、海外では販売中止の画像2

 このすいかと同じくらいおいしさが記憶に残っているのは麦茶です。麦茶は、大麦の外皮をはいで焙煎した上で煎じた飲み物ですが、意外なまでに栄養価が高いのです。まず、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンなどの、いわゆるビタミンB群と呼ばれる必須ビタミンが豊富に含まれています。ビタミンB群は水溶性ビタミンで、炭水化物や脂質をエネルギーに変換する時に必要な栄養素です。

 また、血流を促進するピラジンという成分や、興奮した神経を落ち着かせて抗ストレス効果をもたらすギャバ(GABA)という成分も含まれています。麦茶の成分が炎症を抑える作用があることも証明されています。さらに、P-クマル酸という成分が活性酸素を無害化し、発がん性物質を除去する働きがあることもわかっています。このように、麦茶はなかなかの優れものです。夏の暑い盛りに飲む麦茶がおいしいのは、こういう栄養学的背景があったわけです。

 しかし、その優秀な麦茶も最近は工場でつくられ、ペットボトルに入った状態で売られています。自分でつくれば入れる必要のない食品添加物や栄養強化のための物質が入っているなど、とかくメーカーは余計なことをします。

高濃度茶カテキンは危険

 同様にペットボトル入りの緑茶にも、ビタミンCやアミノ酸、高濃度茶カテキンなどを加えたものが多く出回っており、それなりに売れているようですから、消費者はその危険性を何も知らないということなのでしょう。高濃度茶カテキンには問題が多く、話題になったこともありましたが、あまり消費者には危険性が伝わっていないようです。カテキンは体脂肪を減らすなどと喧伝されていますが、その根拠は、血糖値の上昇や心拍数の増加などを起こすアドレナリンを分解する酵素の働きを、カテキンが阻害するところにあります。したがってカテキンを摂取するとアドレナリンが増えて交感神経の作用が強まり、結果的に脂肪燃焼が活発になるという理屈です。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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