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航空経営研究所「航空業界の“眺め”」

中国ジェット機開発、米国社設計利用でも13年かけ米国認証取れず MRJの敵にならず

文=橋本安男/航空経営研究所主席研究員、桜美林大学特任教授
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 しかし結局、この機体でのFAA型式承認は見送られてしまった。CAACも将来のARJ21の派生型、および最近ロールアウトした150席クラスのジェット旅客機C919で、FAAの型式承認を取る方向に転じている。したがって、基本的には国際航空機市場でこのARJ21がMRJの直接的なライバルになるとは考えられない。
 
 一方で、ARJ21が持つ最大の強みは、中国という潤沢な国内市場を持つ点である。すでに342機の確定発注を受けている。さらに、価格がMRJより3割以上安いことから、また中国政府のODAとの抱き合わせもあって、発展途上国への販路は十分ある。すでに、ラオス、ミャンマー、コンゴなどから発注が入っている。しかし、このエリアは市場の主戦場ではない。

 MRJの場合、初飛行から予定されるANAへの初号機引渡しまでのリードタイムは、1年8カ月しかなく、極めてタイトなスケジュールである。ARJ21の初飛行から初号機引渡しまで7年という大幅遅延を他山の石として捉え、官民一体、オールジャパンの体制で心して臨まねばならない。大幅な遅延もなくMRJの持つ所期の性能が確認されれば、欧米を主体とする世界市場は自然と付いてくるはずである。
(文=橋本安男/航空経営研究所主席研究員、桜美林大学特任教授)

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