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新将命「ビジネスの原理原則」

必ず衰退する企業の共通点…世界的優良企業元トップが明かす

文=新将命/国際ビジネスブレイン代表取締役社長

 対するに覇道の経営は利益、それも短期的な利益の追求のみに明け暮れている。目的のためには手段は選ばないというブラック企業である。

短期志向の罠

 第3の違いは、王道経営が短期に加え中長期志向であるのに対して、覇道経営は短期志向であるという点である。いわゆる「四半期経営」というアメリカ企業によくある代物である。

 インサイダーではないので詳しい内情は知るよしもないが、イメージ的にいえば、王道経営の代表格にはトヨタ自動車が挙げられるのではないか。リコールの問題等でときどき躓くことはあるが、基本的には正しい道を進んでいるような感じがする。結果としてユーザーの信頼を得て世界シェア1位の座を維持している。目を見張るばかりの利益を出している。ちなみに利益とは顧客満足の総和であり、顧客満足とは社員満足の総和である。

 一方、覇道経営の見本には東芝が挙げられる。経営者が道を誤っている。見るも哀れ、聞くも無残という溜息を禁じ得ない。
 
 経営者が大義や徳を失って覇道を歩み始めた時に、企業は衰退の道を辿り始める。
(文=新将命/国際ビジネスブレイン代表取締役社長)

新将命

新将命

株式会社国際ビジネスブレイン代表取締役社長。シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなど、グローバル・エクセレント・カンパニー6 社で社長職を3 社、副社長職を1 社経験。2003 年から2011 年3 月まで住友商事のアドバイザリー・ボード・メンバーを務める。「経営のプロフェッショナル」として50 年以上にわたり、日本、ヨーロッパ、アメリカの企業の第一線に携わり、今もなお、さまざまな会社のアドバイザーや経営者のメンターを務めながら長年の経験と実績をベースに、講演や企業幹部研修、執筆活動を通じて国内外で「リーダー人財育成」の使命に取り組んでいる。

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