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高井尚之が読み解く“人気商品”の舞台裏

洗えるウール開発!田舎の小さなニット会社、なぜ苦境脱し欧州有名ブランドが殺到?

文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント
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「4月末にはカフェレストランも開店します。山形は魚介類、食肉、地場野菜など食材の宝庫ですから、地元産の食材を用いた料理も提供して服飾文化と共に食文化も発信していきたいと考えています。本社社屋を改築していると、昔、羊を飼いながら石倉の工場で紡績を始めた先祖の魂と対話している気がします。先人の苦労、技術、文化の蓄積をかみしめながら、地に足のついた仕事をしていきたいです」(同)

 92年に東京から帰郷する時、「山形ではファッションはできない」と言われた佐藤氏だが、今では「山形でしか考えられない」と笑う。インターネットの発達により、地域のハンディは少なくなったといわれるが、まだ地方発で成功する企業は少ない。佐藤繊維は、高品質なモノづくりを追求し続けた結果、ブランドが花開いた例といえよう。

 知名度を得てからも、世界各国で良質な糸を探し続ける佐藤氏の行動力が成功の大きな要因だろう。
(文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

●高井 尚之(たかい・なおゆき/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)
1962年生まれ。(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。10月16日に発売された『吉田基準』(日本実業出版社)では取材・構成を担当。これ以外に『カフェと日本人』(講談社現代新書)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など、著書多数。
E-Mail:takai.n.k2@gmail.com

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