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約60社のエキス製造業者が加盟する日本エキス調味料協会では、エキスの定義を設けていますが、これを読むとますますエキスについての不安がつのります。
日本エキス調味料協会が定めるエキスの定義は次の通りです。
「食品として用いられる農・水・畜産物を原料として、衛生的管理の下に抽出又は搾汁、自己消化、酵素処理、精製、濃縮等により製造し、原料由来の成分を含有するもの、またはこれに副原料、呈味成分を加えたもので、食品に風味を付与するもの」
自己消化とは、牛、豚、鶏、魚などの生体が死後、自身の持つ酵素によって自分の体のたんぱく質が分解していくことです。自己消化が進んでいくと、腐敗も始まります。言い換えると、腐敗一歩手前の状態がエキスというわけです。
うま味成分には、グルタミン酸ナトリウムなどの化学調味料も含まれます。化学調味料の使用を隠すためにエキスを大量に使っているケースもあります。化学調味料のグルタミン酸ナトリウムだけでなく、リン酸塩(リン酸ナトリウム)、サッカリンナトリウム、クエン酸ナトリウム……というように添加物の多くにはナトリウム(Na)がついています。ナトリウムとは、すなわち塩分です。
塩分の過剰摂取を防ぐには、食塩だけでなく添加物の摂取量を減らすことも重要です。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)
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