
カラメル色素という食品添加物をご存じでしょうか。天然添加物の一種で、食品を褐色に染めるため、実に数多くの食品に使われています。コーラ、カップめん、インスタントラーメン、しょうゆ、ソース、めんつゆ、焼肉のたれ、カレールウ、レトルトカレー、漬け物、佃煮、菓子類、カフェオレ、ノンアルコールビールなどの加工食品のほか、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで売られている焼き鳥、焼きそば、弁当、惣菜、惣菜パンなど多種多様に用いられています。おそらく、ほとんどの人がなんらかの食品を通して、毎日カラメル色素を摂取していることでしょう。
そのカラメル色素の一部には、発がん性物質が含まれているというショッキングな事実があるのです。したがって、気づかないうちに発がん性物質を体内に取り込んでいることになるのです。今や日本人の2人に1人ががんを発病しているとされていますが、カラメル色素がそれと関係している可能性があります。
カラメル色素には大きく4種類ありますが、それは次のようなものです。
・カラメルⅠ…デンプン分解物、糖蜜、または炭水化物を熱処理して得られたもの、あるいは酸もしくはアルカリを加えて熱処理して得られたもの。
・カラメルⅡ…デンプン分解物、糖蜜、または炭水化物に亜硫酸化合物を加えて、またはこれに酸もしくはアルカリをさらに加えて熱処理して得られたもの。
・カラメルⅢ…デンプン分解物、糖蜜、または炭水化物にアンモニウム化合物を加えて、またはこれに酸もしくはアルカリを加えて熱処理して得られたもの。
・カラメルⅣ…デンプン分解物、糖蜜、または炭水化物に亜硫酸化合物およびアンモニウム化合物を加えて、またはこれに酸もしくはアルカリを加えて熱処理して得られたもの。
これらのうちⅠおよびⅡと、ⅢおよびⅣには大きな違いがあります。それは、ⅢとⅣにはアンモニウム化合物が原料に使われているという点です。そのためⅢとⅣには、それが変化して副産物として「4-メチルイミダゾール」という物質ができてしまうのですが、実はこれに発がん性があるのです。アメリカ政府の国家毒性プログラムによるマウスを使った実験で、4-メチルイミダゾールに発がん性のあることが確認され、2007年には発がん性物質に指定されました。なお、カラメルⅠとカラメルⅡには、4-メチルイミダゾールは含まれていません。
どのようにして4-メチルイミダゾールががんを発症させるかというと、その化学構造が動物や人間の遺伝子(DNA)の塩基に似ているためと考えられます。特にチミンとシトシンに似ているのです。そのため、DNAの塩基の中に入り込んで構造を変えてしまい、その結果として細胞が突然変異を起こして、がん化すると考えられるのです。