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片山修のずだぶくろトップインタビュー 第4回 八郷隆弘氏(本田技研工業 代表取締役社長執行役員)後編

「とんがりを失った」ホンダ、完全復活の予兆…過去と決別の「聖域なき経営改革」断行

構成=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

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八郷 「六極体制」(世界を6地域に分け、各地域で開発・生産を推進する体制)を構築するうえで、地域の研究所や購買に加え、世界に工場をつくりました。一方の国内は、埼玉県寄居工場はつくりましたが、生産技術などの新しいチャレンジをしてこなかった。

 これからは、海外の新工場に割いていたリソースを日本に集め、電動化に備えて世界に通じる技術を確立します。電動化のキーになるモーターの生産技術や、古い工場をリニューアルする方法を日本で構築し、グローバルに展開します。

片山 リーマンショック後に減らした輸出を、再び増やすとおっしゃっていますね。

八郷 国内生産は、国内販売70万台に加えて輸出1割から2割、合わせて90万台半ばを目ざしています。生産技術を日本でつくり、日本のモノづくりをしっかりやることを示さないといけない。

 国内事業が儲かる、儲からないという話はありますが、まずは生産から「元気な製造業」にしなければいけない。その方向性が見えてくると、現場は元気になるはずです。それが、国内市場の元気につながると思っています。

【八郷さんの素顔】

片山 最近読んだ本を教えてください。

八郷 『三国志』を再読しました。中国に行っていましたので、もう一度読むと、人間観や歴史観が描かれていて面白かったですね。

片山 ご自身の性格について教えてください。

八郷 前任の伊東孝紳は、私のことを「人の話を聞く」といいましたが、実際は、短気の心配性です。「人の話を聞こう」と肝に銘じてやっています。

(構成=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家)

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

愛知県名古屋市生まれ。2001年~2011年までの10年間、学習院女子大学客員教授を務める。企業経営論の日本の第一人者。主要月刊誌『中央公論』『文藝春秋』『Voice』『潮』などのほか、『週刊エコノミスト』『SAPIO』『THE21』など多数の雑誌に論文を執筆。経済、経営、政治など幅広いテーマを手掛ける。『ソニーの法則』(小学館文庫)20万部、『トヨタの方式』(同)は8万部のベストセラー。著書は60冊を超える。中国語、韓国語への翻訳書多数。

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