女優・清水富美加の出家騒動で大きな話題となっている宗教法人・幸福の科学について、公安当局が今、別の視点から目を光らせているという。全国紙記者は語る。
「幸福の科学が運営する高校のホームページに、同校の生徒が防衛医科大学校、海上保安大学校に合格したという記事が掲載され、それが公安当局の目に留まったようなのです。かねてから中国や北朝鮮による日本に対する脅威をあおってきた幸福の科学は、防衛省の正門前で定期的に自衛隊応援街宣を行いながら自衛官の信者獲得に躍起になっていましたが、そこで信者を得ることはできませんでした。
そんななかで、幸福の科学が運営する高校から自衛隊や海上保安庁の幹部を養成する大学に合格者が出たため、とうとう“潜入工作”を開始したのではと、公安が疑惑の目を向けるようになったようです」
潜入工作とは、過激派などの革命組織が警察や軍隊などに活動家を送り込み、内部から組織を崩壊させることを指す。日本でも過去に、中核派が自衛隊に送りこんだ“反戦自衛官”の事例があるという。
確かに、幸福の科学が運営する幸福の科学学園高等学校(栃木県那須町)のホームページには、同校から防衛医科大学校1名(2015年)、同関西高等学校(滋賀県大津市)から海上保安大学校1名(16年)が合格したと掲載されている。
しかし、幸福の科学高等学校はこれら大学校よりも東京大学や京都大、慶應義塾大、早稲田大、上智大、国立大医学部への進学実績を誇示しており、そもそも公安当局が見立てる“潜入工作”だとしたら、あえて学校のホームページ上に掲載することはないのではないか。
「公安当局には、オウム真理教が自衛隊に深く根を張っていくのを察知しながら手をこまねいているうちに、地下鉄サリン事件などを起こされたトラウマがあるのです。その後も、幸福の科学と同じように中国や北朝鮮の脅威をあおって、自衛官の信者組織をつくった冨士大石寺顕正会の例があるので、幸福の科学の動向に敏感になっているのでしょう」(同)
公安当局の不安の種は尽きないようだ。
(文=編集部)