ビジネスパーソン向け人気連載|ビジネスジャーナル/Business Journal

電車の中を見回すと、スマートフォン(スマホ)の画面を見ている人が半数以上で、座席に座っている人が全員画面を見ているという光景も当たり前のようになっています。会社でも家でもパソコンを開けることが多く、それに伴い「疲れ目」「ドライアイ」に悩んでいる人も増加しています。日常的にスマホやパソコンを見続けることで、これらの症状は回復することなく「慢性疲労」となっていきます。
そんな現代人が増えるなか、高価格の目薬が次々と登場しています。1000円を超えるものも珍しくなく、各メーカーは特徴的なこだわりの新製品を続々と発売しています。主要3大メーカーを比較してみると、現在、市販の目薬でもっとも価格が高いのはロート製薬が昨年11月に発売した「Vロートプレミアム」です。希望小売価格は1500円(15ml)で、有効成分を12種類も配合しています。眼精疲労の緩和に重点を置いており、目の周りの筋肉の疲れ、目の乾きを伴う涙、ブルーライトや紫外線による炎症を和らげる成分も入っているとしています。
かつては「清涼感」が支持されていた市販の目薬ですが、今ではその「機能性」が重視される傾向があります。それだけ、「値段が高くても眼精疲労を解消したい」というニーズが強いといえます。
参天製薬やライオンも、1000円を超える目薬を発売しており、その特徴的な機能を公開しています。
近年の目薬市場(メーカー出荷金額ベース)は大きく右肩上がりとなっていて、2016年には500億円市場となりました。
筆者は、薬の副作用についてのセミナーを開いておりますが、セミナー中に気になる光景を目にすることがよくあります。それは、参加者が頻繁に目薬をさす姿です。通常、目薬の用法は1日4~5回程度ですから、セミナー中に何度も目薬をさすのは明らかに適正な用法・容量を超えています。
目薬の副作用は、飲み薬に比べれば少ないといえますが、当然ながらゼロではありません。飲み薬の副作用については不安を持っている人でも、「目薬ならば大丈夫」と気軽に使っている傾向があります。しかし、実はこれが危険を招くことにつながっているのです。
そこで今回は、目薬で起こりうる副作用と、その危険性について考えてみましょう。