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筈井利人「陰謀論を笑うな!」

トランプと敵対の「正義の味方」FBIの正体…無実の国民を監視・逮捕・大量殺傷

文=筈井利人/経済ジャーナリスト
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トランプと敵対の「正義の味方」FBIの正体…無実の国民を監視・逮捕・大量殺傷の画像1FBI公式紋章(「Thinkstock」より)

 昨年の米大統領選にロシアが介入した疑惑をめぐり、捜査にあたる米連邦捜査局(FBI)が注目を浴びている。トランプ大統領は5月9日、同局のジェームズ・コミー長官を突然解任。これに対し同長官は6月8日、上院情報委員会の公聴会で宣誓証言し、「トランプ政権が自分とFBIについて嘘をついた」(ワシントン・ポスト紙)などと述べた。

 コミー前長官の言い分に対し、米大手メディアは大半がコミー氏に好意的で、トランプ大統領を批判している。日本の大手メディアの論調も、米メディアをなぞったようなものばかりである。

 けれども、一方的な論調には違和感がある。たとえばメディアはトランプ氏の「嘘」を強調するが、これは文脈を無視している。コミー氏が言う「嘘」とは、トランプ氏が自分を解任した理由である。トランプ政権は解任の際、FBIは混乱状態に陥り、コミー氏の指導力に対する信頼も失われたからと説明した。これに対しコミー氏は公聴会で「あれは真っ赤な嘘だった。FBIの職員があんな言葉を聞かされたことは残念だ。国民にそうした説明が行われたことも残念に思う」と強調した。

 だが、これは読めばわかるとおり、政権側の説明を侮辱と受け取り、それを感情的に否定したにすぎない。本人が「嘘」と言いたくなる気持ちはわかるが、メディアがその言葉だけをことさら強調するのは、トランプ氏は嘘つきだという印象を広めたいからだと思われても仕方あるまい。

 それでも読者の多くは、メディアのコミー氏支持を素直に信じているようだ。その背景には、捜査機関であるFBIに対する信頼感があるとみられる。FBIは昔からテレビドラマなどで、有能で正義感にあふれ、政治的な腐敗とは無縁の存在として描かれてきた。

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 しかしFBIの現実を振り返ってみると、誠実で有能な組織にはほど遠い。

 FBIの前身である司法省捜査局の設立は今から109年前の1908年。同局の最初の「活躍」は、米国が17年に参戦した第一次世界大戦中のことだ。当時のスパイ法に基づき、戦争に反対する多数の労組指導者や兵役忌避者を逮捕・拘留したのである。

 このとき捜査局は容疑者の会話の盗聴や私信の開封を始める。現在問題となっている米政府当局による市民の盗聴や監視は、ここに源流があるといえる。

筈井利人/経済ジャーナリスト

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