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黒田尚子「『足るを知る』のマネー学」

シニア婚、経済的メリット大?長い老後、本当に「結婚はコスパ悪い」と言い切れますか?

文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー

ひとり暮らしにかかる生活費は、やっぱり割高

 それでは、肝心のシニア婚の経済的メリットについて見てみよう。

 まずは、「支出面」についてである。

 ひとり暮らしが家族で暮らすよりも割高なのは、住居費や水道光熱費など公共料金のコストが、ある程度かかってしまう点が大きい。食費についても、つくるのが面倒だからと外食やお惣菜ばかりではお金もかかるし、栄養が偏ってしまう可能性もある。とはいえ、食材をあれこれ買い込むと一人では食べきれないし、少量の食材は便利だがやはり割高感は否めない。

 実際に、それぞれ支出はどのくらい違うのだろうか?

 総務省の「家計調査報告」によると16年の消費支出は、2人以上世帯(平均世帯人員2.99人、世帯主の平均年齢59.2歳)の場合、月額平均282,188円で、単身世帯(平均年齢58.6歳)の場合、月額平均158,911円となっている。単純に比較すると、2人以上で生活していても、ひとり暮らしの支出の約1.8倍程度でおさまる。

 そして、このデータの二人以上の平均世帯人員は2.99人。したがって、一人当たり費用で比べると、二人以上世帯が約94,377円(282,188円÷2.99人)となり、単身世帯の支出の約6割で生活できるというわけだ。

 シニア婚なら、これから「子づくり」といったことも考えにくいので、子どもの教育費を考慮する必要はないし、それぞれに持ち家があるなら、いずれかを売却・賃貸に出す分の収入も見込める。

 これ以外にも、たとえば携帯電話の家族割引や映画やアミューズメントパーク(東京ディズニーリゾート、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど)の夫婦シニア割引など、シニアカップルがオトクに使える割引は多数ある。

 もちろん、結婚した相手がギャンブル好きとか、買い物依存症で浪費癖がスゴイというケースなら話は別だ。しかし、ひとり暮らしのときよりも、支出が浮いて余裕が出た分、人生を豊かに暮らすために使うことも十分可能だということである。

2人なら世帯収入も高確率でアップする

 支出が抑えられても収入が変わらないのでは、家計収支は悪化する。

 それでは、「収入面」はどうだろうか?

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

 1969年富山県富山市生まれ。立命館大学法学部卒業後、1992年、株式会社日本総合研究所に入社。在職中に、FP資格を取得し、1997年同社退社。翌年、独立系FPとして転身を図る。2009年末に乳がん告知を受け、自らの体験から、がんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。聖路加国際病院のがん経験者向けプロジェクト「おさいふリング」のファシリテーター、NPO法人キャンサーネットジャパン・アドバイザリーボード(外部評価委員会)メンバー、NPO法人がんと暮らしを考える会理事なども務める。著書に「がんとお金の本」、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「入院・介護「はじめて」ガイド」(主婦の友社)(共同監修)など。近著は「親の介護とお金が心配です」(主婦の友社)(監修)(6月21日発売)
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