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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

日産「ノート」が新車販売1位になった理由…e-POWERが市場勢力図を変える可能性

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日産・ノートe-POWER X(「Wikipedia」より/CEFICEFI)

 2018年上半期、軽自動車を除く国内新車販売台数で日産自動車のコンパクトカー「ノート」が1位になった。「プリウス」や「アクア」など絶対王者となっていたトヨタ車が上半期ランキングで首位を譲ったのは9年ぶりのことで、日産車が首位に立ったのはなんと48年ぶり。

 日産といえば、昨年9月に出荷前の完成検査を無資格の従業員が行っていたとして問題となっていたわけだが、ノートの販売台数だけみれば、不祥事の影響はそこまで出なかったといえる。ではなぜ、ノートは逆風のなかで売上を伸ばすことができたのか。立教大学経営学部教授でマーケティングが専門の有馬賢治氏に話を聞いた。

シーズ志向だった新感覚イージードライブ


「ノートは競合他車と比較して、パッケージやデザインに強い個性があるわけではありません。それにもかかわらずノートが優位に立てた理由を考えると、同車で初めて導入された電気自動車技術をベースにした独自のハイブリッドシステム『e-POWER』の魅力に行きつきます」(有馬氏)

 e- POWERは、技術的にはエンジンとモーターのハイブリッド・テクノロジーだが、ドライバーの観点からは革新的な変化が含まれていたことを有馬氏は指摘する。

「e- POWER車では、ガソリンエンジンは発電に徹し、電気によるモーターのみでタイヤを駆動します。そのため、駆動力がエンジン車より俊敏に伝達されるのです。また、アクセルを緩めることで回生ブレーキがかかるため、これによりブレーキを踏む回数を少なくできます。その結果、モーター駆動のゴーカートに似たワンペダルでの加減速による運転を可能にしました」(同)

 ノートのe- POWER車が価格設定ではガソリンエンジンの車種よりも割高にもかかわらず売上を伸ばした理由は、ほぼワンペダルで運転できる新感覚のイージードライブが顧客に受け入れられたからだと有馬氏。

「ノートのテレビCMではe- POWERの告知こそありますが、運転上何がどのように変わったのかの強いアピールはしていません。ディーラーに足を運んだ顧客が体感してその操作性の良さを実感した結果、販売増につながったのだと思われます。e-POWERは新たな技術として市場に提案されたものであり、所謂シーズ志向的な商品です。導入当初は、日産側もこのシステムがこれほどまでに顧客に受け入れられるという確信はなかったのではないでしょうか」(同)

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