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篠崎靖男「世界を渡り歩いた指揮者の目」

オーケストラ演奏家たちだけが知っている、中毒になる超絶の興奮と感動

文=篠崎靖男/指揮者
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ある市民オーケストラの経済事情

 今回は、ある市民オーケストラの一例として、経済事情を紹介します。

 1年間に2回、定期演奏会を開催し、そのほかにも県や市主催の音楽祭などで15分程度の演奏を2回ほど行う。年末には合唱団の依頼を受けて、ベートーヴェンの『第九(交響曲第9番)』を演奏するといった、一般的な市民オーケストラ活動をしています。

 1年間の収入は900万円程度で、支出は650万くらい。収入には繰越金250万円が含まれているので、実質的な収支は650万円でトントンです。収入の内訳といえば、このオーケストラは団員70名で、1人当たり月3000円の団費がベースです。そして、定期演奏会ごとに団員はチケット2万円分を負担します。そのチケットは友人にプレゼントしてもいいし、買ってもらってもいいものです。すべて買ってもらうことができれば、負担はゼロとなります。常日頃お世話になっている方々に、菓子折りではなく自分が演奏する音楽会をプレゼントするというのも素敵な話です。もちろん、一般のチケット販売収入もありますし、市のイベント出演では、5万円くらい謝礼をもらえることもあるようです。加えて、アマチュアオーケストラ活動の援助に熱心なトヨタ自動車から、50万円の助成金を得られることもあるそうです。

 そんなお金がどう使われるかというと、まずは月に5回程度あるリハーサルでの、練習指揮者やトレーナーへの謝礼、そして本番を務める指揮者やソリストへの出演料が大きな比重を占めますが、本番会場やリハーサル会場の使用料もバカになりません。人気が高いコンサートホールを使おうと思えば、一日の使用料は80万円以上、時には100万円を超えることもあります。そこに楽譜レンタル料、楽器運搬料、チラシやポスターなどの広告料金、当日の会場スタッフへの謝礼まで入れると、あっという間に支出が増えていきます。

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