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さんきゅう倉田「税務調査の与太話」

自家製の生マッコリやサングリアを提供する飲食店は違法?懲役刑の可能性も

文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人
自家製の生マッコリやサングリアを提供する飲食店は違法?懲役刑の可能性もの画像1「Getty Images」より

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きなお酒は「果実酒」です。

 酒税という税金があります。酒税について定めた法律は「酒税法」です。日本の酒のルールは、この酒税法に明記されています。だから、酒の製造免許も販売免許も、酒税法を基にして与えられます。つまり、国税庁の管轄です。

 国税庁で酒税に関する担当者は、全体から見ると少数ですが、酒税にも税務調査があって、違法に酒をつくり販売する者に賦課・徴収を行っています。免許がないのに酒をつくる、あるいは販売することは違法ですが、法律を知ってか知らずかルールを破る者が後を絶ちません。

 身近なところだと、ワインを提供する店での「自家製サングリア」の販売です。サングリアとは、ワインに果実を漬け込み、場合によっては香料や糖分を加えた飲みものですが、ワインのような果実酒に果物を漬け込むことは、「酒の製造」に当たります。酒の製造は、免許を持つ者だけに許された特別な行為。勝手に行ってはいけません。ここで「免許があればいいんでしょ?」と考える方がいるかもしれません。しかし、酒の製造免許は、年間数千リットルの酒をつくることが条件となっています。ワインであれば、6000リットル。年間300日営業するとしても、1日に20リットルの自家製サングリアを製造・消費することは現実的ではありません。よって、基本的には、免許のない者がつくる違法な自家製サングリアが巷で提供されることとなります。

 この話をすると、「梅酒はいいのか?」という疑問を持つ方がいます。実は、梅酒を作ることは認められているのです。蒸留酒(梅酒に使われるのは主に焼酎)に梅やぶどう以外の果物を漬け込んでもよいことになっています。自宅でも可能ですし、申請すれば居酒屋やバーで提供することもできます。自宅で梅酒をつくるのは、日本人の文化的・歴史的行為であり、実情に沿ったかたちでの法整備となっています。

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