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松崎久純「ビジネスパーソンの自己啓発」

「あっ、私いつもテンパってる」「余裕がない」と気づいた時の簡単な解消法

文=松崎久純/グローバル人材育成専門家、サイドマン経営代表
「あっ、私いつもテンパってる」「余裕がない」と気づいた時の簡単な解消法の画像1「Gettyimages」より

 自己啓発というと、自分自身に厳しい要求をしたり、制限を加えるといったイメージを持つ人もいるかもしれません。しかしながら、「ビジネスパーソンの自己啓発」では、決して張り詰めた気持ちでいることは、お勧めしていません。むしろ私たちは、いつでも気持に余裕を持っていたいものです。

「気持ちに余裕を持つ」ことは、決して難しいことではありません。なぜなら、私たちは緊張していると思うことがあれば、「少し気持ちに余裕を持とう」と考えるだけで、フッとラクになれるものだからです。

ラクな気持ちになる簡単な方法とは

 あなたも(いわゆる)「テンパった状態」の人を見たことがあるでしょう。たとえば、仕事でピリピリしている状態の人です。なんとか仕事をこなそうと、あるいはしっかりやろうとしながら、一杯一杯になってしまっている人です。仕事以外でも、たとえば電車で席を確保しようと、目の色を変えて駆け込む人なども、余裕があるのとは逆の状態になっています。

 英語ではこれをtense(テンス、「ピンと張りつめた」という意味)という言葉で表現します。誰でもテンスな状態になることはあり得ますが、あまり頻繁にあるなら、あるいは自分でもそれが気になるなら、「気持ちに余裕を持つこと」に向き合ってみましょう。私たちは、テンスにならなくても、同じことを余裕のある状態で行えるからです。

 その方法は先にも述べたとおり簡単で、「気持ちに余裕を持とう」とつぶやくだけでいいのです。「大丈夫、大丈夫」と口にしてみます。それだけで、あなたは本来持っている余裕を感じることができます。ぜひそれがどんな状態かを実感してみてください。多くの人は、何度かトライしているうちに、少しずつ感じるようになると言います。

考えてみれば、自分も余裕がないかもしれない

 こういう私も、もともとはテンスになりやすく、肩に力が入りやすいほうです。そして、それを見た人から、「余裕のない人だなぁ」と言われたことがあります。

 そう言った人は、知り合いではなく、たまたまその場に居合わせた他人でした。私はあるとき、整っているとはいえない身だしなみで、汚れた靴を履き、隣にだらしなく座った若い会社員を咎めたことがありました。見ず知らずの相手でしたが、その人の投げ出した足が、何度も私の足にぶつかっているのに、知らん顔をしているので、その態度を注意したのです。そうすると、その人は私のことを「余裕のない人」と呼んだのでした。

 公共の場で寝そべるように椅子座り、スマホでゲームをしている人から「余裕がない」と言われるのは心外でしたが、それはまったく間違っているとも言えないように思えました。

松崎久純/グローバル人材育成専門家

松崎久純/グローバル人材育成専門家

サイドマン経営代表

企業の海外赴任者や海外拠点の現地社員を対象にグローバル人材育成を行う専門家。サイドマン経営・代表。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科非常勤講師。著書に『好きになられる能力 ライカビリティ 成功するための真の要因』(光文社)、『英語で学ぶトヨタ生産方式 エッセンスとフレーズのすべて』(研究社)、『イラストで覚える生産現場の英語』(ジャパンタイムズ)など多数。

Twitter:@HardLifeEasy

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