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消費増税、その駆け込み消費は間違い!住宅や車は無意味?急ぐべき意外なモノとは?

文・取材=武松佑季、A4studio
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エコカーは増税後のほうが、従来より節税になる可能性も

 次に、自動車のケース。

「結論から言うと、エコカー以外の自動車に関しては、増税後に購入するメリットは少なくないため、わざわざ焦って増税前に駆け込み消費しなくてもいいかもしれません。まず従来、軽自動車以外の新車(自家用)の場合は3%かかっていた自動車取得税が廃止され、その代わりに新たに導入された燃費課税(環境性能割)が0~3%ほど課されます。こちらはエコカーなど燃費のいい車を選べばかなり節税できるし、自動車税も排気量が小さい車ほど安くなるように変更されています。電気自動車などのエコカーの場合は自動車取得税、重量税、自動車税が安くなるエコカー減税、グリーン化特例はなくなりますが、それ以外のクルマは燃費課税と変更された自動車税を考えればトントン。こちらも駆け込み消費をする必要性はそこまで感じません」(山口氏)

 ここまで住宅や自動車について解説してもらったが、この2ジャンルにおいてむしろ市場の動向による価格の変動、たとえば駆け込み需要に合わせて業者がたくさん仕込んでいた商品が売れ残り、後にそれらが投げ売り状態になる――といったことはあるのだろうか。

「ディーラーは在庫をあまり抱えない仕組みになっていますので、そういったケースは少ないと思います。ただ住宅に関しては、建築後1年以上経つと中古扱いになってしまうので、もしかすると増税後しばらくすると安い物件が出回る可能性もあるでしょう。これを狙うのも手ですね」(山口氏)

家電は来年3月が狙い目? 駆け込むなら保険適用外治療

 昨年11月28日に政府が発表した消費増税時の価格設定についてのガイドラインによると、増税後に景気が冷え込むのを防ぐために、小売事業者などは増税前から値上げをしても構わないという方針を示している。つまり増税前後でトータルの価格は変わらないという現象も大いに考えられる。しかも今回の増税は、一般消費における軽減税率やカード決済によるポイント還元もあるので、駆け込み消費が財布に優しいかは疑問だ。

「9月と3月に決算がある家電量販店は、もし今年10月の増税の影響で半年間売り上げが冷え込んでいたとしたら、来年3月の決算期に大セールが行われることも考えられます。ですから、むしろ増税後のその時期を狙ったほうが賢いかもしれません。トイレットペーパーなどの消耗品も日々セールがありますし、数円から数十円のために買いだめしても場所を取るだけですよね」

 では、どの分野なら駆け込み消費に意味が出てくるのだろうか。

「人間ドックや白内障の手術、インプラントなど、いずれはやらなくてはいけないと思っている保険適用外の治療は増税前に受けておいてもいいでしょう。あとは住宅のリフォーム。そして、まだ鉄道会社によって運賃の値上げがどうなるかはわかりませんが、定期券や新幹線のチケットを購入しておくのもいいですね」

 いずれにしても、必要ないものを増税によって“言い訳消費”することが一番の損。商品価格にかかわらず、増税前は踊らされないことが重要だろう。
(文・取材=武松佑季、A4studio)

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