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木下隆之「クルマ激辛定食」

BMW「3シリーズ」全面改良版を徹底解剖!度肝を抜く加速感&フットワークに感動

文=木下隆之/レーシングドライバー
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感動するほどの加速性能

BMW「3シリーズ」全面改良版を徹底解剖!度肝を抜く加速感&フットワークに感動の画像3

 筆者が試乗したのは、「330iMスポーツ」だ。加速感は感心するほど素晴らしかった。2リッターという比較的小排気量のエンジンの欠点は、低回転トルクがか細いことである。加速したいその瞬間に、期待する加速が得られないことがある。その絶対的なトルク不足を補うために、ターボチャージャーの助けを借りる。だが絶対的なトルクは確保できても、わずかなアクセル開度でのレスポンス不足は否めない。各メーカーは必死に、大小のターボチャージャーを組み合わせたツインターボ化でしのごうともがくものの、まだ少し低回転トルク不足と反応の鈍さからは逃れられない。

 だが、330iでは、そんなイライラするような加速感は霧散していた。アクセル開度の1mmが、エンジンの1Nmとして確かに反応するのだ。ピークパワーの上がり代はわずかだが、常用回転域のトルクは大幅に厚くなっているからだ。スペック表によると、それぞれピークトルクは1350rpmで達するという。交通に流れに乗っている限り、ほとんどの場合、ピークトルクに達する1350rpm付近で走行しているはずだ。つまり、いつでもどこからでもパワーゾーンなのである。感動した。

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 フットワークも素晴らしい。前述したように、前後重量配分は、BMW得意の「50:50」をキープしているから、コーナーリング特性は整っている。フロントノーズがアウトにはらむような見苦しいアンダーステアは皆無だ。試乗車は標準設定から2インチアップの大径タイヤを履いていたこともあり、コツコツと路面に乱れを拾う傾向にあった。乗り心地はかなり硬い。

 そう、新型3シリーズはまず運動性を磨き込み、スポーツフィールをまったく犠牲していないのだ。多少乗り心地が悪化したとしても、フットワークを優先する。そんな頑固な思想を感じた。

 累計1500万台を誇るBMWの主力モデルは、これからもBMWらしいスポーツ性能で勝負していくということか。

 実は、3シリーズはさらにさまざまな先進的な魅力を秘めている。それはまた改めて紹介しようと思う。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

木下隆之/レーシングドライバー

木下隆之/レーシングドライバー

プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

Instagram:@kinoshita_takayuki_

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