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可処分所得は10年前より大幅低下、20代死因の半数が自殺…希望が縮む日本社会

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安倍晋三首相(写真:UPI/アフロ)

「令和」新時代ようこそ――人々の多くは令和の幕明けを喜び、希望に胸を膨らませた感があった。確かに、平成は大震災、原発事故、テロ、バブル崩壊、長期経済停滞と、負の記憶が連なる。

伸びない可処分所得

「平成」を総括すると、主に2つの反省点が思い浮かぶ。ひとつは経済だ。政府は1月に「戦後最長の好景気」と自賛したが、景気は再び停滞色を強め、悪化に向かう。4月に国際通貨基金(IMF)が発表した世界全体の2019年の経済成長率見通しで、日本は先進国中最下位の1.0%。20年も最下位の0.5%と予測する。

 景況判断をめぐる政府と民間のギャップは大きい。政府の楽観は、庶民の生活実感によって否定される。一部の富裕層を除けば、「暮らしはよくなっていない」からだ。

 平成の反省点は、主流経済学とそれに沿った経済政策の誤りが正されなかったことではないか。経済を占うキーポイントは、実質可処分所得の動向だ。日本の国内総生産(GDP)の約6割を占める個人消費が伸び、経済の好循環を促すには、実収入から税金や社会保険料を差し引き、物価変動下で「自由に使えるお金」となる実質可処分所得が増えなければならない。

 ところが近年、「女性の働き方」が変わった世帯以外では、これが減少している。大和総研の調査によると、11~18年の間、実質可処分所得は14年まで下落した後で増加に向かい、18年は設定した5つのモデル世帯すべてで増加した。だが、この好転の理由は、専業主婦だった妻がパートや正社員として働くなど、「女性の働き方」が変わった少数の世帯により大幅増加がもたらされたため、という。

 逆に「女性の働き方」が変わらない多数の世帯では、実質可処分所得はむしろ若干減少している。女性の就業参加で、世帯の可処分所得がようやくプラスに転じたかたちだ。働く女性の割合は18年平均で51.3%と、5割を超えた。

 とはいえ、可処分所得の水準は17年時点で依然、リーマン・ショック時の08年と前年07年の「月平均44万円超」を大幅に下回る。総務省の家計調査によると、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の1世帯当たり1カ月間の可処分所得は17年平均で43万4000円あまり。家計経済は、女性就業世帯の増加で持ち直してきたものの、なお広がりに欠け、経済の好循環をもたらすには至っていない。

「支えの基盤」を失う人々

 もうひとつの反省点は、平成の間に起こったコミュニティの希薄化であり、喪失だ。独居高齢者の急増が、これを象徴する。

 東日本大震災の被災者のために臨時設置された仮設住宅。仮設よりましなはずのマンション型の復興住宅のほうが、自殺者が2倍も多いことが判明した。仮設住宅のような語り合い、いたわり合いが乏しく、個室にこもって孤立感に襲われるせい、とされる。

 若者の自殺率が異常に高いことも、コミュニティの喪失が影響している。「支えの基盤」をなくしているからだ。

 厚生労働省の「自殺対策白書 平成30年版」によると、16年時点で15~34歳の若い世代の自殺は、すべての死因のトップ。夢多いはずの15~19歳の自殺は死因の36.9%を占め、2位の「不慮の事故」を上回る。自殺願望がさらに高まる20~24歳で、死因に占める自殺の割合は、なんと半数近い48.1%。こうした若者の高い自殺率は、先進国でほかに例を見ない。

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