“牛丼御三家”と称されている牛丼チェーン大手3社の吉野家、すき家、松屋の争いが激しさを増している。かつては吉野家が業界のトップランナーとして知られていたが、現在、その勢力図は変わりつつあるようだ。
吉野家を展開する吉野家ホールディングスは2019年2月期の最終損益が60億円となり、赤字に転落。新メニューや季節限定商品のラインナップで競合他社との違いを打ち出せず、顧客を惹きつけることができなかったようだ。
一方、すき家を運営するゼンショーホールディングスは19年3月期連結決算で純利益が前期比24%増の99億円となるなど絶好調。松屋フーズホールディングスも前期比7.7%減ながら21億円の黒字だっただけに、吉野家の不調ぶりが目立つ結果となってしまった。
そんな牛丼御三家をテーマに、今回は「この夏、買うべき3大牛丼チェーンの商品6選」を選出。“牛丼戦争”を続けている大手3社のなかから、この季節にぴったりのメニューを紹介しよう(価格は税込み)。
吉野家/牛皿麦とろ御膳・並盛/630円
吉野家のなかでイチオシしたいメニューは、夏季限定商品の「牛皿麦とろ御膳」。あっさりとした味つけのオクラと長芋は、タレで煮込まれた牛皿とベストマッチ。ねばねば感も相まって、夏バテで食欲がなくなっていたとしても、するっと食べ切れてしまうことだろう。
牛肉には豊富なミネラルが、とろろには滋養強壮効果が高いジオスゲニンがそれぞれ含まれており、栄養面もばっちり。ごはんに加えられているもち麦の水溶性食物繊維βグルカンには、腸内環境を整えたり食後の血糖値上昇を抑えたりといった効能があるともいわれているので、健康志向の人にもおすすめできるメニューだ。
吉野家/ベジ牛定食/600円
吉野家には「ベジメニュー」なるものが存在しているが、注文したことがないという人も多いのではないか。肉が食べたくて吉野家へ行く人がほとんどだろうから仕方ないとはいえ、ベジメニューはスルーしてしまうのがもったいないほどハイクオリティなのだ。
トマトベースのピリ辛ソースで味つけされた「ベジ皿」は野菜のうまみが強く感じられ、これだけでごはんがどんどん進むという逸品。ナスやカボチャといった、その季節に合った野菜が使われているのもうれしいところだ。
野菜にプラスして牛皿までついてくる「ベジ牛定食」なら栄養的にもバランスがいいし、肉を食べたいという欲求も満たせるので、ベジメニューを初めて注文するなら、まずこのメニューからお試しいただきたい。
すき家/かつぶしオクラ牛丼・並盛/480円
ふんだんにオクラが乗せられている牛丼の上に小分けパックに入ったかつお節を振りかけていただく「かつぶしオクラ牛丼」が、この季節のすき家では一番のおすすめ商品。
公式サイトで「オクラをさっぱりだし醤油で仕上げました」とうたわれている通りのあっさりとした味わいは、牛丼が重たく感じられる夏でもおいしく食べられるはずだ。
食べ方としては、ねばねばとしたオクラの食感が増すよう、ぐるぐると全部かき混ぜてしまうのがいいだろう。ごはん全体に染み渡ったかつお節とだし醤油の豊かな風味を存分に楽しむことができるに違いない。