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上昌広「絶望の医療 希望の医療」

福島医大、被災地から医師“吸い上げ”医師不足発生…元病院長、製薬企業から多額報酬

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福島県立医科大学病院(「wikipedia」より/Kozo)

 私が主宰するNPO法人医療ガバナンス研究所のスタッフに樋口朝霞さんという女性がいる。看護師資格を有する研究者だ。樋口さんはネパールとの共同研究を続けている。最近、英医学誌「BMJ Open」に研究成果を発表した。この研究は、2015年4月に発生したネパール大地震(マグニチュード7.8)が、首都カトマンズのがん医療に与えた影響を調べたものだ。震災前後2年間のトリブバン大学教育病院に入院した患者の記録を調査した。

 結果は意外だった。震災後1カ月はがん患者の入院は減少するものの、2カ月目からは増加に転じ、被害が軽微な遠隔地の地方都市からの患者が目立った。ネパール大震災は首都カトマンズの北西77キロの地下15キロの地点を震源とする直下型地震だ。カトマンズ周辺は大きな被害を蒙った。ネパール政府によると、死者8,460人、負傷者は2万人以上だ。経済損失は50億ドルと推定され、前年のネパールのGDPのおよそ4分の1だ。

 世界各国が支援に入った。日本からは自衛隊および国際協力機構(JICA)が派遣された。資金面でも10億円規模の緊急無償資金協力がなされた。アジア開発銀行は300万ドルの緊急支援を無償提供し、さらに復興費用として2億ドルを拠出した。ネパールの復興を世界中が支援した。

 なぜ、カトマンズの被害が著しい病院に、被災しなかった地方からがん患者が押し寄せたのだろう。私は、その理由を想像することができなかった。樋口さんの見方は面白い。彼女は「大災害で医師や看護師の偏在が悪化したためです」という。どういうことだろうか。彼女の説明は以下だ。

 今回の地震はネパールの首都を直撃した。ネパール政府は1日も早く首都を復旧させるべく大量の資金と人材を投下した。世界各国も支援した。災害復旧の一つの柱が医療の充実だ。災害により医療需要は高まり、もたもたしていると、多くの命を失ってしまう。政権の支持率にも影響する。5月3日、AFP通信は『ネパール地震の救援物資、「お役所仕事」で輸送遅れる』という記事を配信している。同様の批判は他からも出ており、4月29日にスシル・コイララ首相が日本の支援に感謝するために表敬訪問に訪れた際には、市民に囲まれ引き返さざるを得なかった。

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