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いくつかの消費者行動研究でも、ポジティブ要因とネガティブ要因の両方を提示する両面提示広告では、ネガティブ情報が許容できるレベルであれば、むしろ情報の信頼性を高めるため、説得の効果が高いことが示されています。
古典的な例では、フォルクスワーゲンのビートルが、“The 1970 VW will stay ugly longer“(1970年型ビートルは、そのみにくさを他車より長く保ちます)と、スタイルの醜さを逆手にとって、耐久性のよさをアピールした広告があります。
さらに両面提示の場合、ポジティブ要因とネガティブ要因のどちらを先に提示するべきかという順序効果の研究では、受け手がどれだけ広告を詳細に吟味して理解しようとするかによって違うことが確認されています。
情報処理の動機が高い場合は初期メッセージに(初頭効果)、逆に動機が低い場合は最終メッセージに(親近性効果)、より強く影響されるのです。
したがって、関心の高い商品・内容の場合は最初にポジティブ情報を、関心の低い商品・内容では最初にネガティブ情報を提示するほうが、最終的な評価が高まるといえます。
(文=阿部誠/東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授)
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