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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

河井案里&克行議員をスケープゴートにして逮捕?黒川問題で悪運が尽きた安倍政権の謀略

文=神澤志万/国会議員秘書
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自民党の河井案里参議院議員(写真:毎日新聞社/アフロ)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言も、ついに全面解除されました。まだ完全に「安全」というわけではありませんが、少し光明が見えてきましたね。長らくの自粛生活、本当にお疲れ様でした。また、お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 とはいえ、海外では第2波の発生も報道されていますから、まだしばらくは手洗い・うがいの励行とマスク着用、ソーシャル・ディスタンスの確保は不可欠です。くれぐれも、ご自分の身はご自分で守ることを念頭に日々をお過ごしください。

河井夫妻逮捕→解散総選挙シナリオの現実味

 今国会は6月17日が閉会予定日ですが、第2次補正予算が順調に閣議決定されれば、10月25日の補欠選挙に合わせて解散総選挙……という噂が与党内で広まっています。とはいえ、現在は補選の予定はありません。誰かが辞めたり亡くなったりしなければ、補選も必要ないですものね。

 それで出てきたのが、河井克行(衆議院・広島3区)・河井案里(参議院・広島選挙区)夫妻の逮捕の可能性というわけです。つまり、安倍政権は夫妻のクビを差し出すことにして、「補選+総選挙」を実施したいといわれているのです。確かに、コロナ対策や「黒川問題」で離れてしまった国民の関心を取り戻すには、河井夫妻にスケープゴートになってもらうしかないかもしれません。

 前回お伝えした通り、検察官の定年延長法案は今国会での成立が見送りになりましたが、東京高等検察庁の黒川弘務検事長の緊急辞任を受けて、次期国会の審議にも暗雲が立ち込めていますよね。閣議決定した黒川検事長の定年延長を正当化するための法案だったのですから、当事者がいなくなれば成立させる必要もないはずです。安倍晋三首相は、この件に関しては本当に潔くないですよね。まぁ「いつものこと」といえば、いつものことではありますが。

 黒川検事長の賭け麻雀は、本人が事実と認めたのですから「言語道断。懲戒処分が妥当」というのが当然だと思いませんか? しかし、法務省が「懲戒」を提案したのに、官邸が「訓告」処分にしたとも報じられました。訓告であれば退職金も減額されず、勇退という形は取れますが、なんでそこまで黒川検事長に気を遣うのか、謎ですよね。相当弱みを握られているのではないかと、神澤は深読みしてしまいます。与党の秘書たちも「さすがに『バカやろー』と言いたくなるよな、この処分は」とあきれていました。

 今まで安倍政権は世論についてとことん鈍感でしたが、「黒川問題」で支持率がかなり落ちています。「悪運の持ち主」といわれる安倍さんですが、もはや運が尽きてきた感じがありますね。

 黒川検事長が自ら辞職を申し出たことで、「さすが、安倍さんは悪運の持ち主。これで世間の批判から逃れられる。救われた!」と見る向きもありましたが、処分が甘すぎたことで、また逆戻り。いよいよ、国民から見放された感じがします。

東京都知事選は小池百合子の圧勝か

 選挙といえば、東京都知事選挙(7月5日投開票)も6月18日の告示まで1カ月を切りましたが、なんかパッとしませんね。元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児弁護士が立候補を表明し、ホリエモンこと堀江貴文氏も出馬の噂があります。

 堀江氏は5月30日に『東京改造計画』(幻冬舎)という書籍を出版予定で、これには、コロナ対策のほかに江戸城再建や現金使用禁止令などの提言が盛り込まれているそうです。本気で政治を考えているとは、到底思えないですね。都民のことなど眼中になく、おもしろければいいのでしょう。そもそも、この本の編集者は女性ライターへのセクハラ疑惑や原稿料未払いが報じられている「自称・天才」の箕輪厚介氏ですから、出だしから縁起が悪いですね。

 堀江氏の主張は以前から過激なものが多いですが、「国や自治体は休業要請や外出自粛要請をしなくてもいい。自分で考えて行動すべき」などの主張は一理あるとは思います。しかし、政治家としてはどうでしょうね。

 これに対して、小池百合子知事は、やっぱりいろいろわかっていると思います。東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定するまで新型コロナ対策についての発言は控え、正式に延期が決まってから、毎日のように記者会見を続けていますね。「見え見えの選挙対策」など批判もされていますが、これが「現職は強い」と言われるゆえんなのです。

 何をやっても「選挙対策」と深読みされてしまうのは仕方ないですが、露出が増えれば知名度も上がりますからね。もっとも、対応を間違えると批判の対象になり、逆に選挙戦が不利になることもありますから、簡単ではないです。

 メディアというのは、その時々で敵にもなり、味方にもなります。というか、メディアこそ国民のことなど考えず、視聴率など「数字」が取れればいいとだけ思っているように感じることがしばしばです。

 そして、来夏に延期された東京五輪も限りなく微妙ですよね。日本でコロナが終息していたとしても、世界中で終息しなければ開催できないため、「中止」を前提に根回しが行われているとの話もあります。とても残念なことですが、現実的に考えると、「中止」という最悪のシナリオも検討していくことも危機管理のひとつなのかもしれません。

 東京五輪が中止になれば、来夏には東京都議会議員選挙もありますから、今年10月の解散総選挙が現実味を帯びてきます。黒川問題でのツイッターデモなどを通じて、「声を上げれば政治も変えられる」と手応えを感じた方も多いのではないでしょうか。次回の選挙は、必ず投票に行って貴重な一票を投じていただきたいです。

 現在は膨大な情報が氾濫していますが、自分の中で整理して、理解するように心がけながら、情報社会に溺れることなく前向きにがんばりたいと思います。

(文=神澤志万/国会議員秘書)

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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