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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

世紀の“出来レース”で誕生する菅首相が消費税減税→解散総選挙を仕掛ける可能性も

文=神澤志万/国会議員秘書
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菅義偉官房長官(写真:ロイター/アフロ)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 8月28日の安倍晋三首相の辞任表明を受けて、永田町は目まぐるしく情勢が変わっています。9月1日には、自民党総裁選挙について党員・党友の投票を省く「簡易方式」の採用が発表されました。告示は8日で、14日に両院議員総会で実施される方針です。

 これを受けて、1日に石破茂元幹事長と岸田文雄政務調査会長が立候補を表明し、2日には菅義偉官房長官も記者会見を開くことを発表しています。

 1日夕方に早速、岸田政調会長が各自民党議員事務所に出馬のあいさつに行かれていました。ちょっとエネルギッシュになって頼もしい顔つきになられてきたと感じましたが、もっと早い時期から遠慮せずに前に出てほしかったと思います。人柄では、候補者の中でナンバー1です。

 一方で、出馬が取り沙汰されていた河野太郎防衛大臣、野田聖子元総務大臣、下村博文選挙対策委員長、西村康稔経済再生担当大臣、茂木敏充外務大臣らは出馬を見送りました。

“石破総裁”を絶対阻止したい勢力が世論操作

 今回も、メディアへのリーク合戦がすごいという印象しかありません。8月31日には、ほぼ情勢は固まっていた感じです。選出方法も日程も9月1日の総務会で決めるとされていたのに、その前から確定したように報道されて、さらに「菅総理誕生→解散総選挙は10月25日」などとシミュレーションされていましたね。

 これって、石破元幹事長にどうしても総裁になってもらいたくない勢力の世論操作なんですよ。つまり、解散総選挙の可能性をどんどん報道させて、世論調査をして、国民が総選挙を受け入れる(=自民党が支持率を維持できる)かどうかを様子見しているんです。

 世論調査やマスコミの調査では石破元幹事長の人気がダントツですから、自民党としては、石破元幹事長を総裁にさせずに、総選挙をどうやって勝つかが重要なのです。

 総選挙のタイミングと方針としては、「『コロナ対策も大事だけど経済対策はもっと大事』と主張して、場合によっては消費税減税も打ち出し、新総理の支持率を上げてから」にするのか、あるいは「コロナ対策重視で12月に予算案の閣議決定後」、はたまた「来年10月の衆議院議員の任期満了時」のどれかになります。

 こればかりは首相の専権事項なので、私たちは時期を予想して備えるだけです。永田町にいると多くの情報に翻弄され、逆に確信が持てなくなってしまうのですが、本当にどうなるんでしょうね。

 もちろん、秘書にとっては決定されたことを粛々とこなしていくことが最も重要なミッションです。どういう流れになろうとも、現実を受け入れてがんばる所存です。

「甘かった」では済まない枝野代表の喫煙問題

 もうひとつ、神澤としては、国会の敷地内での喫煙問題にも関心があります。

 8月31日の記者会見で、立憲民主党の枝野幸男代表が議員会館の自室での喫煙を改正健康増進法の全面施行(2020年4月)後も続けていたことを認め、謝罪しました。枝野代表は弁護士でもあるのですから、「認識が甘かった」では済まない問題だと思います。進んで罰金を払い、禊をするべきです。

 実は、愛煙家の国会議員は少なくありません。タバコ税の収入はバカにならないのですが、決まりを守って吸っていただきたいですよね。

 8月14日には、北海道新聞が議員会館の事務所内で喫煙をしている議員がいることを報じています。北海道議会の新庁舎の喫煙所設置について書かれていましたが、北海道新聞と聞いて、「あ、あの議員事務所だよね!」と秘書同士で思わず目を合わせました。翌日にはネットでも大きく取り上げられたので、戦々恐々だった議員事務所も多かったように思います。

 実は、7月15日に院から「議員事務室内は禁煙」と再通知がありました。なんで今さら……と思っていたのですが、メディアからの問い合わせがあったのかもしれませんね。枝野代表も、そのときすぐに喫煙をやめていたら、まだよかったのに、と思います。

 喫煙者がいる事務所は、廊下を歩いているだけですぐわかります。タバコの匂いって、本人はわからなくても吸わない人には気づかれてしまうので、「あの事務所は部屋でタバコを吸っている」と知れわたってしまうのです。

 また、議員は吸っていなくても、秘書が「親分のいないとき」に吸っていることもあります。喫煙後は消臭スプレーをしたり空気清浄機を稼働させたりして対策をしているようですが、自分の家じゃないのに何をやっているのかと思います。

 そもそも、健康増進法改正のときに喫煙議員たちの抵抗がものすごかったことを思い出しました。そういうときに元厚生労働大臣の小宮山洋子氏が国会にいてくれたら、もっと厳しい内容になっていたのではないかと思います。

 国内のスモーカーは激減傾向なのに、国会のタバコ問題は古くて新しいテーマなのです。

(文=神澤志万/国会議員秘書)

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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