これまでの歴史が証明しているように、やはり山口組を割るということは不可能だったのか。
ここに来て、神戸山口組の幹部や直系組織に大きな動きが出続けている。五代目山健組の離脱に、池田組の脱退。神戸山口組の立役者の1人だった正木組・正木年男組長と二代目黒誠会・剣 政和会長の引退。二代目木村會においては、紆余曲折の末、会長の山本彰彦幹部が六代目山口組若頭補佐である四代目倉本組・津田力組長の預かりとなり、二代目木村會若頭をはじめとした勢力が、六代目山口組・髙山清司若頭の預かりとなったというのである。
「当初、二代目木村會は山本組長も含めて、髙山若頭の預かりになるのではないかといわれていた。それが木村會内部の事情から、山本会長のみは倉本組の預かりで、山本会長を除いた木村會組員らが、髙山若頭預かりになったと聞いている。
山本会長は神戸山口組では、若頭補佐という重職を務めていた。そんな山本会長であったとしても、六代目山口組への復帰にあたっては直参では迎えてもらえないようだ。同じ直系組長という位置づけでも、六代目山口組と神戸山口組ではそれくらいの差があるのではないか」(六代目山口組系関係者)
さらにここに来て、兵庫県姫路市で多大なる影響力を持ち、この8月に神戸山口組若頭補佐に昇格を果たしたばかりの親分が、引退することになったというのだ。
今回、引退することになったのは、邦楽會・福原辰広会長だ。地元関係者は福原会長について、このように話す。
「福原会長は、山健組系村正会の出身で、同会で若頭を務めたのちに、山健組の直系組長に昇格。その後、山健組内で最高幹部を歴任したのち、神戸山口組では直参となり、最終的には最高幹部となる若頭補佐を務めていた。活動の本拠地となる姫路市では知らない業界関係者がいないほど、人物としての評判が高い。資金力も豊富で、某独立団体のトップとのパイプもあり、幅広い人脈がある親分としても知られていた存在だ。
五代目山健組の大半が神戸山口組を離脱したのち、その離脱派からは残留派に対して処分が出された。山健組一筋にやってこられた福原会長としては、山健組が分派したことも、自身の引退になんらかの関係があるのではないか」
そのほかにも、神戸山口組の有力団体である二代目宅見組にも異変が生じているという。
「二代目宅見組の入江禎組長は、神戸山口組の副組長を務める重鎮。その二代目宅見組が、現在、大阪ミナミにある本部事務所を売りに出しているのは、捜査当局の調べからも間違いないようだ。これが何を意味するのかは不明だが、ただ、今すぐ是が非でも売りたいというほどではなく、条件がある程度合えばと聞いている。現在、宅見組本部の購入に積極的な動きを見せている企業もあると聞いている」(前出・六代目山口組系関係者)
そして、神戸山口組の若頭を務める寺岡修会長率いる俠友会でも、執行部内で隙間風が吹いているという情報もあるようだ。どうやら、最高幹部の引退が同会でもあったようなのだ。
山口組分裂から6年目に突入したが、神戸山口組の勢力縮小は一気に加速してきている感がある。この流れはいつまで続くのだろうか。