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4月12日から、新型コロナウイルスワクチンの高齢者への接種が始まった。ところが、接種予約のキャンセルなどで、余ったワクチンが廃棄されたことが確認された。これについて河野太郎ワクチン担当相は、ワクチンを無駄にしないために「まず接種券を持っている高齢者、次に接種券を持っていない高齢者、そうした高齢者がいなければそれ以外の人、さらにそういう人がいなければ、他市、他県の人でも一向に構わない。まったく制約はないので、ワクチンが廃棄されないように、現場でしっかり対応するように」と述べている。
そんなことが可能かどうなのか。そもそも接種券のシステムはどうなっているかを確認することにした。筆者は横浜市に住んでいるので、まず横浜市のワクチン専用コールセンターに電話をして、ワクチン接種の仕組みを聞いた。
筆者「接種券が届いて予約をして接種が終わると、接種券に1回目が済んだ証明のシールが貼付されるようですが、3週間後にしなければならない2回目の接種は、市のほうから連絡が来るのですか。来ない場合は、いつ予約すればいいのですか」
コールセンター担当者「市のほうから連絡をするのか、しないのかは今のところわかっていません」
筆者「では、自分で勝手に2回目を予約するのであれば、1回目が終わった会場で2回目を予約することができるのですか」
担当者「いえ、それはわかりません。1回目と同じように予約をしていただくことになると思うのですが、今は2回目の予約をどうするのかは、こちらではわかりません」
そこで厚生労働省のコールセンターに電話をして同じことを聞いた。
筆者「2回目の接種ですが、横浜市のコールセンターで聞いたら、今の時点ではいつどうやって予約するのかわからないということですが、決まっていないのですか」
担当者「自治体に任されているので、こちらではわからないのですが」
筆者「ということは、国では誰が1回目を接種したか、2回目も接種が済んだのかは把握しないのですか」
担当者「ちょっとわかりません」
筆者「河野大臣が、接種会場でキャンセルがあった場合、接種券がなくても接種できる、誰でも接種できるとおっしゃっていましたが、接種券なくてもできるのですか」
担当者「いえ、接種券を持っていない人はできません。しかも、65歳以上の高齢者からというように優先順位が決まっていますから、誰でも構わないということではありません」
筆者「でも河野大臣は、接種券持っていなくても、他県の人でも構わないっておっしゃっていましたよ」