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東京五輪目前、反五輪主義勢力の活動が活発化…開催中にバス銃撃など過激な抗議活動も

文・構成=編集部
東京五輪目前、反五輪主義勢力の活動が活発化…開催中にバス銃撃など過激な抗議活動もの画像1
国際オリンピック委員会(IOC)公式サイトより

「No Olympics anywhere……No Olympics in Tokyo」(オリンピックはどこにもない、東京にもない)

 男はそう主張した。東京オリンピック・パラリンピック競技大会(東京五輪)の開催まで80日を切る中、国際オリンピック委員会(IOC)の会見に反五輪主義者が出席し反五輪旗を掲げ、混乱が生じた。英国紙「The Guardian」が12日(現地時間)、記事『Tokyo Olympics ‘moving fully ahead’ as protester disrupts press conference』で伝えた。

 同記事によると会見はオンラインで開かれた。Yahoo!所属を名乗る反ロサンゼルス五輪運動の抗議者が質問に立ち“No Olympics anywhere. F〇〇k the Olympics. We don’t want the Olympics. No Olympics in LA. No Olympics in Tokyo.”と低い声で訴えた(伏せ字は編集部)。同紙に掲載されている当時の動画を伝えるTwitter投稿を以下、共有する。

 この椿事により、会見は事前の予定時間より短縮されたが、IOCのスポークスマンのマーク・アダムス氏は「(開催に向けて)完全に前進する」と述べたという。

これが五輪の通常状態?リオではプレスバスに流れ弾?

 ブラジルのリオデジャネイロ五輪の際、現地で業務をしていた国連経済社会理事会の協議資格を持つNGO職員は次のように話す。

「オリンピックやサッカーワールドカップといった、グローバリズムの象徴のような商業主義スポーツ大会ではほぼ必ずと言っていいほど抗議運動が発生し、それを現地政府が“こん棒”で制圧するというのはよくある風潮です。

 少なくとも五輪が近づくにつれて反五輪主義者の活動が活発化するのは珍しいことではありません。2016年8月、リオデジャネイロ五輪はデモ隊と治安部隊が衝突し、政府系の建造物や自動車に放火するなどした抗議者70~100人が逮捕されました。そんな状況を受けて、英国は自国の選手団に軍特殊部隊の警護をつけたという話もありましたね。当時の五輪デモは、サッカーワールドカップ時の抗議運動に比べればはるかに小さかったようですが。それでも五輪期間中、治安部隊と暴徒の銃撃戦の流れ弾らしき銃弾がプレスの乗るバスに飛び込んだこともありましたね。

 日本は治安が良く、国民も五輪に対して好感を持っているというのは、他国にない東京大会誘致の強力なアピールポイントだったはずですが、それがいつもの五輪になったというだけでしょう。今回の件はLA五輪の反対者によるものだったようですが、コロナ禍の影響で日本でも確実に東京五輪に関する否定的な声が広がっていることはIOCも認識しているでしょう。ただ、その程度の事態は織り込み済みでしょうね」

 五輪を開催するのであれば、開催の経済的メリットや明確な社会的な意義、新型コロナウイルス感染症の安全対策などに関し、政府やIOC、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の説明責任が問われる。揺ぎなく五輪を開催する意向なら、抗議運動があっても会見を短縮するべきではなく、丁寧な説明が必要だったのではないだろうか。

BusinessJournal編集部

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