
新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言発令中の群馬県前橋市の商業施設内駐車場に駐車していた長野ナンバーの乗用車に、「二度と群馬県に来るな」と書かれた紙が張られていたことがTwitter上などで拡散され、炎上した。
騒動は上毛新聞インターネット版が30日に公開した記事『「二度と群馬に来るな!」 県外ナンバーに張り紙 「自治会の名前使われた」 地元住民らも困惑…』により、さらに拡大。真偽不明の情報の拡散に加え、張り紙を乗用車に張られた男性や張り紙に記載されていた自治会の会長などへの誹謗中傷が過熱している。
当編集部は30日、この張り紙に記載されていた自治会の会長に話を聞き、騒動発覚後の経緯や現在の思いを聞いた。問題の紙が乗用車に張りつけられた商業施設は自治会の区域外であり、自治会はやっていないことを訴えるとともに、写真をTwitterに上げた男性とは29日に会い、双方ともに被害者であることを確認したことを明かした。
張り紙記載の自治会の会長を擁護するアニメファンの声も
前出の上毛新聞などの報道によると、自動車を所有していた20代男性は群馬県内に在住。自動車のナンバーは移住前の「長野ナンバー」のままだったのだという。同記事を一部引用する。
「男性は28日午後4時半ごろ、ショッピングセンター『前橋リリカ』(前橋市国領町)の駐車場に駐車。約30分後に買い物を終えて戻ると、紙が張られていたという。県外ナンバーへの一方的な内容に恐怖を覚えたという。男性は張り紙の写真をツイッターに投稿した」
張り紙には「コロナウイルスを都会から一生群馬県に持ち込むな!二度と群馬県に来るな!!ネット上にナンバープレートと車体を晒(さら)します」などと記載され、前橋市内のとある自治会名が記載されていたのだという。
同自治会の名前はネット上で拡散され、ほどなくして会長の経営する眼鏡店も特定され、攻撃の対象になったようだ。
一方、当編集部には30日午前、同県内外のアニメ・ゲームファンから、「Twitter上でさらされている自治会長はとても気さくな人」「会長の営む眼鏡店は、(人気ゲーム・アニメコンテンツの)『アイドルマスター』(バンダイナムコ)のイベントが同市内で開催された時、県外から来る我々のような、得体の知れないアニメ・ゲームファンにとても優しく接してくれたホスピタリティーあふれる人です。その人の自治会がそんな排外的なことをするとは思えない」などとの声が寄せられた。