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明石公園・切り株だらけ問題:明石市長が兵庫県を批判→実は県は市長に説明済だった

文=Business Journal編集部
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明石公園公式サイトで紹介されている明石城跡
明石公園公式サイトで紹介されている明石城跡

切り株だらけ

 そんな異様な言葉が24日、日本国内のTwitterで一時トレンド入りした。神戸新聞NEXTが同日公開した記事『明石公園、切り株だらけに 「過剰な伐採」子ども名付けた木も 兵庫県「眺望妨げる」』にTwitterユーザーが反応したもので、兵庫県が明石公園(明石市)で行っている伐採事業の妥当性をめぐり、賛否両論の声が上がった。そんな中、市幹部への暴言で辞任した後に当選し、「第41回全国豊かな海づくり大会」のプレイベントで受託企業のアナウンサーらに高圧的な発言をしたことなどで注目を集めた地元明石市の泉房穂市長が「県が“嘘”や“誤魔化し”を続けている」と、論戦に参入した。

公園の伐採事業で生物多様性の危機

 同記事によると、県が公園内にある明石城跡の石垣保全や景観向上のために伐採事業を継続する方針を示しているのに対し、植物研究者らでつくる「明石公園の自然を次世代につなぐ会」と「日本野鳥の会ひょうご」が生物多様性の観点などから懸念を表明。斎藤元彦県知事らに要望書を提出したのだという。

 県によると、公園の樹木伐採事業は、明石城の築城400年を前に、2018年度から実施しているもので、「石垣の原則5メートル以内の木」「明石駅ホーム上や園内の芝生広場など、公園南側の8カ所から見て眺望を妨げる木」を対象に、これまでに約1700本を伐採したという。一方で、同記事によると「つなぐ会」は以下のような問題点を指摘しているのだという。一部引用する。

「公園には92種の希少な動植物が見られ、日本に飛来する野鳥の10分の1にあたる66種や、絶滅危惧種の昆虫30種ほどが確認されているという。さらに園内の樹木は、市内の小学生の環境教育の教材としても活用されてきた。ところが、子どもたちが名前を付けて1年通じて観察していたモッコクの木が切られたケースがあったという」

泉市長「県の公園緑地課は“嘘”や“誤魔化し”を続けている」

 この記事を引用した上で泉市長は24日、自身の公式Twitterアカウントで以下のように述べた。

<「明石公園の樹木の『過剰』伐採」の記事。『県の公園緑地課』は“嘘“や”誤魔化し“を今なお続けているようだ。県が、次に伐採を予定しているのは「石垣」から200mも遠く離れた「スタジアム周辺」。「石垣」とは何の関係もない。県には、県民への“正直な説明“を切に願う。>(原文ママ)

 自治体の首長が、県の特定の部署に対し“嘘をついている”と公言するのは穏やかではない。どの部分が“嘘”なのか。そもそも、『「石垣」から200mも遠く離れた「スタジアム周辺」』の伐採事業とはなんなのか。

兵庫県「明石市長に8回にわたり許可取った」

 泉市長に名指しされている同県まちづくり局公園緑地課の担当者は次のように語る。

「『嘘』や『誤魔化し』というのがはっきり何を指しているのか、我々としてよくわからないのです。明石公園の史跡区域の伐採に関し、1700本切っているのは神戸新聞の記事の通りです。

 伐採された1700本は石垣とか明石城跡など史跡区域内の事業を指します。例えば『石垣から5メートル範囲にあるものを伐採する』という事業がそれに該当します。石垣がよく見えるように視点場を設け、伐採方針を決めました。

 もともと計画段階で明石市と専門家が入った委員会をつくり、事業方針を決めました。その方針に従って、どこの区域で、いつ、何本切るのかなどに関し、その都度、明石市長に許可を取っています。伐採時には文化財保護法にもとづいて、公園が所在する自治体の明石市長の許可を取る必要があるためです。これまで8回にわたって(明石市長に)申請を行い、すべて許可をいただいています。今まで切った1700本については全部市長の許可をもらった上で、行っているのです。

 一方で、Twitter上での『スタジアム周辺』との指摘は、一連の史跡区域の事業とは別です。明石城には陸上競技場が隣接しています。そこにある木が大きくなりすぎ、競技場壁面とスタンドを補強するための人工構造物である石組みを壊し、その石組みが崩落してきています。石組みの下は通路なので、日常的に来園者や通勤の方が歩いています。当該地域は災害時の指定避難場所・地域防災公園でもあります。

 つまり『木を切らないがために、石組みが落ちてきて、通路を歩いている来園者の方がケガをされたらどうするんですか』という話で、危険な状況なので緊急的に切りましょうという事業です。伐採を予定しているのは2カ所3本になります。伐採予定地は史跡区域から外れているのですが、明石市に申請をしなければならない包蔵地にあたります。

 私どもの課長が泉市長から直接電話を受け、この話についても説明させていただいています。これまでの史跡の事業とは別の事業であること、『現状のままでは危険ですよね』ということについて、すべて説明させていただいております。この件に関し、“嘘”や“誤魔化している”とおっしゃっているわけではないのでしょうし、なにか違うことを指摘されているのかもしれません。正直、わからないです。戸惑っています」

 県と市民団体の論争に、泉市長が加わることにより事態は一層複雑化しているようだ

 泉市長は2017年6月14日、JR明石駅前の国道拡幅に伴う用地買収交渉の遅れに関して、定年後に再任用された市の技術担当理事を市長室に呼びつけ、「今日、火つけてこい。今日、火つけて捕まってこい、お前、燃やしてしまえ! ふざけんな。行ってこい、燃やしてこい、今から建物。損害賠償、個人で負え!」などと発言したと報じられ、全国的に問題視された。

 神戸新聞などが、一連のやり取りを収めた録音データを入手し、19年1月29日に一斉に報道した。泉市長は同年2月に辞職したが、同年3月に行われた市長選に突如立候補し、「暴言は到底許されない。反省している」などと訴えて当選していた。

 昨年10月には「第41回全国豊かな海づくり大会」のプレイベントの企画を担当した企業の男性幹部2人に対し、『映像のできが悪い。それでもプロの仕事なのか。知事に言って業者を変えてやる』などと発言したとして物議を醸していた。

(文=Business Journal編集部)

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