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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

「山本太郎に国会議員の資質はない」永田町関係者が断言する理由

文=神澤志万/国会議員秘書
れいわ新選組の山本太郎代表(「gettyimages」より)
れいわ新選組の山本太郎代表(「gettyimages」より)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 今年の参議院議員選挙は、投開票が7月10日、公示は6月22日と予定されています。元東京都知事の猪瀬直樹さんや作家の乙武洋匡さん、そしてタレントの水道橋博士さんなども立候補を表明されている上に、出馬説もある小池百合子都知事の動向も気になるところで、東京選挙区は「大混戦必至」といわれていますが、そのわりになんとなく盛り上がりませんね。やっぱり、テレビ的には山口県阿武町の「4630万円誤送金事件」の方が重要なんでしょうか。

 今年の通常国会は、予定通り6月15日で閉会となりそうです。補正予算案が衆議院を通過する5月27日が一応山場な感じでしたが、中心は「コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策」なので、特にもめることもなくという感じです。立憲民主党が野党として何か言っても、国民は特に気にしないでしょうね。

衆議院議員の重みをわかっていない山本太郎氏

 いろいろな方の立候補が報道されている中で、神澤が疑問に思っているのは、れいわ新選組代表の山本太郎候補です。5月20日に東京選挙区からの出馬を表明されましたが、ご存じのように4月までは衆議院議員でした。4月18日に突如辞職を表明、「参議院選挙に出馬する」と宣言されて、賛否両論が巻き起こりましたね。

 別に違法ではないのですが、有名人ならではの軽い判断だな、としか思えませんでした。本来はあり得ないです。ただ、「党勢拡大」という観点で考えると、議席を増やす最も確実な手法だな、と感心してしまったのも事実です。公式サイトによると、れいわ新選組には、参議院議員2名、衆議院議員3名の合計5名の国会議員が所属しています。

 山本候補が衆議院議員を辞職しても、次点の候補が繰り上げ当選したので、議員の総数は変わりません。政党の要件は「現職の国会議員が5人以上」なので、ギリギリですね。

 水道橋博士の知名度はすごいと思いますが、やはり支援者にとっては「れいわ新選組=山本太郎」のイメージが強いので、今回の参院選でも投票用紙に「山本太郎」と書きたいのだと思います。

 だから、れいわ新選組の党勢拡大には山本候補本人の出馬は必要不可欠なのですが、だからといって、これはないと思いますよ。衆議院議員に当選した重みをわかっていませんね。神澤は「山本候補には国会議員の資質はない」と断言できます。

 山本候補や山本候補を支持する人たちの気持ちを考えるとき、「若気の至り」という言葉が浮かびます。神澤はまだ生まれていませんが、1960年代から70年代にかけての学生運動も思い出しますね。「社会や政治を変えたい」という若いエネルギーや怒りが、殺人事件まで起こしていた時代です。

 一方で、70年代以降は大人たちが「子どもが政治に興味を持たないように」と育てた結果のせいか、優しく真面目になりすぎて、一部の人たちはカルト教団にハマる事態にもなっています。

 また、80年代から90年代にかけては豊かな時代でしたから、アイドルやスポーツ選手、プロレスラーなどに熱狂することで、危ない方向へ行かずに済んだ人も多いですよね。

 もちろん、いつの時代にも若いときは大人や世間への不信感や苛立ちはありますし、バブル崩壊からの30年不況で思うように生きられない若者たちが期待しているのが、山本候補なのかもしれませんね。

 まあ立憲民主党も日本維新の会も、若者の支持を集めるには何か足りないものがあるのでしょう。昨年の衆議院総選挙では、20代が最も投票した政党が自民党というNHKの調査が話題になりましたね。最も投票率が低い世代がみんな自民党に……。これもすごいですね。出口調査では、投票の理由は「政権が変わっても、日本は変わらないと思う」とか「自民党に任せておけば大丈夫だと思う」などでした。生まれたときからほとんど自民党政権で、他を知らないからでしょう。

 80年代の不動産バブルがはじけてから30年も賃金が上がっていないというあり得ない状況なのに、若い人にはそれが当たり前なんですね。さらに、わかりやすい言葉を使う好戦的なタカ派に若い人の支持が集まっているという話もあり、それも心配です。

※後編へ続く

(文=神澤志万/国会議員秘書)

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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