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六代目山口組による「離脱者攻撃」がヒートアップ…今度は絆會会長宅に車両特攻

文=山口組問題特別取材班
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自家用車が突撃した絆會・織田会長の自宅周辺
自家用車が突撃した絆會・織田会長の自宅周辺

 六代目山口組分裂前、特に五代目体制時には組織内で最大勢力を誇った山健組。だが、六代目山口組から離脱したこときっかけに、同組組長の自宅には銃弾が浴びせられ、若頭が襲撃されるということが起こるにまで至った。宅見組についても同じだ。初代組長は五代目山口組の時代に長きにわたり若頭を務め、二代目も山口組では最高幹部を歴任してきた。だが、この二代目組長に対しても、昨今、自宅に車両特攻が行われている。

 このような斯界の大物親分たちが攻撃される立場になるなど、山口組分裂前には誰も考えられなかったのだ。

 分裂後に起こった、誰もが想像できなかった出来事はそれだけではない。2015年の神戸山口組設立後、そこから2年も待たず、その中心人物として注目を集めた織田絆誠会長が同組から離脱し、新組織「任俠団体山口組」(現・絆會)を結成させたことも挙げられるだろう。しかも2017年には、織田会長が神戸山口組サイドに襲撃され、ボディーガード役を務めていた組員が命まで落としたのだ。

 そのきっかけとなったのは、任俠団体山口組が2度にわたって行った記者会見といえよう。そこで織田会長陣営は神戸山口組を痛烈に批判したため、六代目山口組と対峙していた神戸山口組は、怒りの矛先を織田会長に向けたのだ。承知の通り、その後、神戸山口組からは次々と離脱者が生まれるが、振り返ればこの時点で、神戸山口組の内部には、大きな亀裂が走っていたのかもしれない。

 まさに、神戸山口組衰退のきっかけをつくったといっていい織田会長だが、そんな会長も現在、苦境に追い込まれているかもしれない。6月6日、同会長宅に車が突っ込むという事件が起こったのである。今回の車両特攻は、神戸山口組サイドではなく、六代目山口組による犯行と見られている。

 近年、六代目山口組は神戸山口組に焦点を絞って攻撃を加え、組長の引退、組織の解散を迫っているように見られていた。だが、ここ最近は、2020年に神戸山口組から独立した池田組や絆會にも容赦ない武力行使を行ってきているのだ。

 そこからは、神戸山口組だけでなく、神戸山口組から離脱した組織の存在も認めないという、六代目山口組の厳しい姿勢が見てとれる。さらに冒頭に記した通り、織田会長宅に車両特攻が行われた前日の6月5日には、神戸山口組の井上邦雄組長宅が銃撃されるなど、神戸山口組に対しての猛攻も緩めていない。

 「六代目山口組が、離反した組織に対して、これ以上の猶予は与えず、本気で決着をつけにきたということでしょう。組を解散し、引退しなければ、さらに厳しい攻撃を加えるぞ、犠牲者が出るぞ、という圧力です。そして、それに対抗する力は離脱勢力には残っていない。事実、報復と見られる動きは起きていないんです。いまや、抗争状態というよりも、六代目山口組サイドによる一方的な攻撃と化しています」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 防戦一方となっている離脱陣営について、ある業界関係者はこのように語る。

 「そろそろ、離脱陣営の首脳陣らは、進退をかけるところまで来ているのではないか。報復こそしないまでも、組織を存続させる限り、六代目山口組サイドの組員たちは懲役を賭けてまでさらなる攻撃をしていく。そうした実行犯は、犯行を終えると逃げも隠れもせずに、長期の服役を覚悟して出頭して見せているのだ。これこそがヤクザの強さであり、そうした組員を持つ山口組の強さではないか」

 神戸山口組の井上組長はそれでも、解散や自身の引退について、いまだに考えていないとされている。そうした姿勢が、さらに六代目山口組の攻撃をヒートアップさせていく可能性は高い。

 「六代目山口組の下部組織が離脱陣営に無差別とも言える攻撃を仕掛けていると見られている。報復事件よりも、今後、六代目山口組による攻撃によって新たな被害が起きないか、そちらに警戒を強めている」(捜査関係者)

 報復もせず、甘んじて攻撃を受け続けている状態の離反陣営に対しては、「ヤクザ組織としてのメンツはないのか」と冷ややかな声を浴びせる業界関係者も少なくない。弱気とも取れるそうした姿勢によって、組織の求心力は低下し、さらに組織力の衰退が加速することにもつながるとの見方もある。

 それに比例するかのように、過激化する六代目山口組サイドによる攻撃。それは、離脱陣営が組織の解散や親分の引退という道を選択しない限り、続いていくのかもしれない。

(文=山口組問題特別取材班)

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

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