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老後資金2千万円はどう作る?投資の知識・経験がなくても資産を増やす方法

文=藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会
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老後資金2千万円はどう作る?
老後資金はどう作る?(「Getty Images」より)

「老後資金は2000万円必要」と金融庁が発表してから、目標額を目指して一生懸命貯蓄に励んでいる方も多いのではないでしょうか。現在、大手銀行の定期預金金利は0.002%で、1000万円を1年間定期預金に預けても200円の利息が付くだけです。1997年度の家計の受取利子18兆円から、2017年度は3分の1の6兆円に減少しました。銀行にお金を預けていても、目標額達成は難しいでしょう。

 働いて収入を増やすことが困難な場合、どうすればよいでしょう。利息の高い商品、もっと配当の良い商品に毎月積み立てて、複利効果を利用して運用しないと目標を達成するのは難しいのではないでしょうか。

 そんななかで導入されたのが、NISA制度。年金だけでは足りない老後資金に対して自助努力に基づく資産形成を支援するために、政府が導入した制度です。

NISA】とは

 NISAとは(Nippon Individual Savings Account)の略で『少額投資非課税制度』といい、イギリスの個人資産形成支援制度「ISA」(Individual Savings Account)を模範に導入された制度です。上場株式、公募株式投資信託等に対する一定額の投資から得られる配当金や譲渡益が一定期間、非課税となる制度です。

 一口にNISAと言っても年齢、経済状況により、20歳以上の居住者を対象にした「一般NISA」、「つみたてNISA」、20歳未満の居住者を対象にした「ジュニアNISA」の3つの区分が存在します。

 年間投資限度額は「一般NISA」が120万円、「つみたてNISA」が40万円、非課税保有期間は「一般NISA」が5年間、「つみたてNISA」が20年間となっており、いずれか一方しか選択できません。「つみたてNISA」は「一般NISA」に比べて商品に一定の要件が設けられているので、利用できる商品は『長期・積立・分散投資に適する』として金融庁が認めたものに限ります。

 具体的には、

・信託契約期間が無期限または20年以上であること。
(つみたてNISAは長期の資産形成のためのものだから)

・毎月分配型でないこと。
(分配頻度が高いと複利効果を得にくいため)

・一定の場合を除きデリバティブ取引による運用を行わないこと。
(債権や株式などの金融商品から派生した取引<デリバティブ取引>は、一般にハイリスクでコストが高いため)

など、長期・積立・分散投資による資産形成を支援するための要件が設けられており、投資未経験者でも安心して利用できる制度となっています。

 株、投資信託等への投資ですから元本割れするおそれはありますが、金融庁の監視の下で運用されているので、かなり安心できます。その上、非課税なので、配当、譲渡所得から20%の税金を取られることもなく、利益をまるまる得られます。長期投資に適した低コストの投資信託を選択しやすいように配置しているので、投資初心者にはおすすめの制度といえるでしょう。

【ロボアド】とは

 最近、急に利用者が増えてきた「ロボアド」をご存じでしょうか。「ロボットアドバイザー」の略で、資産運用をAIに任せるものです。投資経験のない初心者には利用しやすい運用方法です。運用を任せる「投資一任契約」を結ぶことで、資産運用にかかる銘柄選択から売買まで全てロボットに任せてしまうもので、具体的には、利用者のリスク許容度に応じて最適な資産の組み合わせ(ポートフォリオ)を提案してくれます。 

 この「ロボアド」にもNISA口座を使って資産運用をしているものが数社あります。NISA口座を使うので、利息はまるまる手元に残ります。世界全体に分散して投資を行い世界経済の成長を上回るリターンを目指しています。

 この方法なら、投資経験がなく知識もない初心者でも、大損をすることなく少額ずつ投資することができるのではないでしょうか。何もしないで心配しているより、投資を体験しながら資産を増やす可能性を増やしてみてはいかがでしょうか。

(文=藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会)

藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会

藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会

(立教大学ドイツ文学科)卒業後研究室で副手を1年務め結婚。女児2人を出産し、下の子が3歳になったときに(中央大学法学部)に学士入学。法律の面白さに惹かれ、卒業後も勉強を続ける。宅建とFP試験に合格(CFP、宅地建物取引士)。その直後夫の赴任に伴いアメリカに約8年居住。帰国後FPとして働き始める。講演、相談、執筆を行う。その間、簡易裁判所、家庭裁判所で調停委員、参与員、司法委員を定年まで勤める。
著書:「100歳まで安心して暮らす生活設計」(共著)、「どっちがお得?定年後のお金」(共著) ‘高齢期のお金を考える会’メンバー。高齢者施設を多数見学し、高齢者施設の種類、内容、注意点、選び方等を勉強する。

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