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12月、PayPayステップ変更で還元率改悪?あと払い設定&請求書払いはマスト

取材・文=清談社
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PayPayのHPより

 年末にかけて出費も多くなり、キャッシュレス決済を利用する場面も増えてくる。そんななか、PayPayは12月から適用される「PayPayステップ」の仕様変更を発表した。PayPayステップは、条件を達成することにより還元率がアップするという、PayPayユーザーなら獲得しておいて損はないというサービスプログラム。今回は、その改訂内容と立ち回り方、そして新たに登場した「PayPayカード ゴールド」についても紹介していく。

決済額のノルマが上がるという改悪

 QRコード決済業界を牽引するPayPayでは、ユーザーが最重要視する還元率アップを「PayPayステップ」という達成条件を設けて決定している。これまでもたびたび、この基準を変更してきたが、12月より新基準になることが発表された。

 PayPayの基本還元率は0.5%。これまでのPayPayステップでは、対象のヤフー系サービス5つ(Yahoo!ショッピング、PayPayフリマまたはヤフオク!、Yahoo!トラベル、ebookjapan、LOHACO by ASKUL)から3サービスを利用することでプラス0.5%、月に300円以上の支払いを30回以上かつ合計5万円以上の支払いでプラス0.5%となり、ステップを達成すれば翌月の合計最大還元率を1.5%まで引き上げることが可能だった。

 それが今回の変更で、支払い方法による3パターンの達成条件が示されることとなった。まず、すべてに共通する変更点が、これまでの毎月の決済ノルマである「300円以上を30回以上・5万円以上の支払い」が、「300円以上を30回以上・合計10万円以上の支払い」になった点。合計支払い額が一気に2倍の10万円以上ということで、達成難易度もアップ。この支払い額倍増は、次に紹介する2つのケースでも共通しており、今回の改悪ポイントといえよう。

 3パターンの支払い方法のうち改悪となってしまったのが、「残高払い」でPayPayアプリを利用するケース。残高払いとは、ATMを利用して現金またはPayPayアプリに紐づけた銀行口座またはPayPayカードから、その都度チャージして利用する方法だ。初期から続くPayPayの支払い方法であるが、この決済方法だと基本還元率の0.5%に加えられるのは「300円以上を30回以上・合計10万円以上の支払い」を達成したときの0.5%だけになり、計1%が上限となってしまう。これまでの最大1.5%から比べると、残高払いを設定しているユーザーは損をする仕様になっているのだ。

あと払い設定で自動的に1%還元に

 2つめは、「あと払い」設定でPayPayを利用しているケース。この「あと払い」を使えば、基本還元率0.5%に、あと払い設定をするだけで0.5%がプラスされる。さらに前述した「300円以上を30回以上・合計10万円以上の支払い」を達成すれば、さらに0.5%加算され、最大1.5%の還元率となる。

「あと払い(PayPayあと払い)」は、ATMなどでチャージをしなくても、PayPayでの決済が可能になるサービス。通常の残高払いであれば、都度チャージして決済するが、あと払いでは当月の利用分を翌月にまとめて支払うことができる。イメージとしては、バーチャルなクレジットカードといったほうがわかりやすいかもしれない。

 今回のPayPayステップの改訂内容を見れば、どう考えても、あと払い設定にするほうがお得であるが、この決済方法は審査を要することがネックに思える。ただし、その手続きはやってみると非常に簡単だ。筆者が実際に設定してみたところ、名前、生年月日などの個人情報を入力し、運転免許証の番号を入力するだけだった(運転免許証を持っていなくても設定は可能)。それだけでPayPayカードのバーチャルカードが発行され、アプリからあと払いに設定するだけだ。

 ちなみに、PayPayカードは実物を配送してもらうこともできるので、普段使いのクレジットカードとして利用することも可能だ。審査時間は30分ほどで、すぐに決済もできた。これからもPayPayを利用するという人は、基本的にあと払い設定にしておいたほうがメリットが大きい。

請求書払いなどでノルマ額を稼ぐ

 そして、最後はPayPayカードをPayPayアプリに登録して支払っているケースだ。PayPayの決済では、クレジットカードであるPayPayカードを登録して支払うことができる。このパターンでも、これまでは3サービスの利用と30回・合計5万円の決済条件を達成すれば1.5%の還元率を享受できた。ただ、今回の改訂後はカード決済をしているユーザーの還元率は0%になってしまう。

 しかし、前述したあと払い設定をすれば、合計最大1.5%(基本還元率0.5%、あと払い設定0.5%、「300円以上を30回以上・合計10万円以上の支払い」の0.5%)になり、これはアプリ・カードの利用分のどちらも対象になる。また、アプリではなくPayPayカードだけで決済する場合も、あと払い登録をしているユーザーであれば最大1.5%還元(基本1%+「300円以上を30回以上・合計10万円の支払い」の0.5%)にすることも可能になった。

 いずれにせよ、PayPayカードをメインに利用している人も、お得に使うなら、あと払い設定にするしか選択肢はない。

 ちなみに、すべての支払いがPayPayステップの対象となるわけではない。ポイント付与・利用カウントもされない主な決済は、金券ショップなどのチケット、ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOの携帯電話料金、PayPay資産運用、ポイント運用などだ。

 一方で、ポイント付与はないが利用金額にカウントされる主な決済は保険(満期型)、入国時の税関手続きの支払い、JR東日本グループ運営の加盟店での商品代、そしてPayPay請求書払いである。特に一般的な単身者だと電気、ガス、水道や各種税金の支払いなどを請求書払いにしないと、10万円という高いハードルを越えることは難しいので、このあたりの決済を有効に利用していきたいところだ。

「PayPayカード ゴールド」誕生

 今回のPayPayステップ改訂に合わせるように、「PayPayカード」の上位版「PayPayカード ゴールド」がデビュー、その概要がアナウンスされた。年会費が1万1000円(税込み)と高額だが、カード利用でPayPayポイントを1.5%還元、PayPayあと払い利用でPayPayステップを達成していれば+0.5%、最大2%の還元を受けることができる。

 ポイント還元だけで年会費を相殺することは難しいが、このカードが本領を発揮するのはソフトバンク、ワイモバイルの通信回線を契約している場合。ソフトバンクユーザーは、1000円(税抜)につき、通常5ポイントに加えて95ポイント、計100ソフトポイントが付与される。実質的に10%還元となり、これなら年会費分を割り引いてもお得になる可能性が高い。

 今回の変更は、PayPayカードを使ったあと払い設定に有利なものとなっている。ステップの仕組み自体は従来よりもシンプルになった印象なので、この年末はPayPayジャンボなども併用してポイントを稼ごう。

(取材・文=清談社)

清談社

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せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。
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