2年ほど前から新型コロナウイルスが流行し、感染予防のための飲食禁止、移動制限などが行われています。一般人の生活も制限され、自由に旅行もできず、仕事もできなくなり、収入が激減している人も少なくありません。
そこでこの機会に、自由に旅行ができるようになった時のために、「旅行積立」のサービスを利用して旅行資金を貯めてみるのはいかがでしょうか。
旅行積立とは、航空会社や旅行会社が行っているサービスで、旅行の時期や予算に合わせて前もって資金を蓄えておくシステムです。毎月貯める方法や、一括でお金を預ける方法があります。6カ月から5年後の満期に、一定の金額が上乗せされて、積立額以上の旅行券を受け取れる仕組みです。つまり、旅行積立は単に旅行の資金を貯めるだけでなく、預け先の会社から利息にあたるサービス額を受け取れる仕組みになっています。
旅行積立のメリットは、高い利率です。旅行積立をすると「サービス額」といって、一般の預金と同様に利息がつきますが、その割合は1.5~3%になります。現在の大手銀行の1年定期預金金利(0.001%)と比べると、その差はとても大きくなっています。
しかも、銀行等の預金と違い課税されることはなく、満期になると金利はサービス額として全額、手元に残ります。
旅行積立は旅行券(ツアー代金、航空券代等)として受け取ることになるため、旅行にしか使えません。また、有効期限も5年、10年と限られているところもあり、いつまでも使えると思ったら大間違いです。その上、積み立てた会社でしか使えない場合が多いため、「JALで積み立ててHISで使う」といったことができない場合がほとんどです。つまり、格安なプランを他社で見つけても、そのプランには使えないことになります。
旅行積立は、利回りでは預金に比べて非常に有利ですが、その半面、注意点も多いので、気をつけて始めたいものです。注意点を挙げると、以下のようなことが考えられます。
(1)積立の満期日は、出発日の3カ月以上前にしたい。出発日の直前には希望するツアー等が予約で埋まってしまうことがあるからです。
(2)旅行券が使える範囲は積立会社によって異なるので、調べてから申し込みたい。(国内外ツアー、国内・国際航空券、宿泊券、鉄道券、レンタカー、免税店等)
(3)旅行積立を途中で解約した場合は、現金ではなく旅行券で戻ってきます。
(4)1年未満での中途解約では、上乗せ額がない場合があります。
(5)積立会社が倒産した場合、全額が戻らないことがあります。
(6)インターネットで旅行券が使えないことがあるので、あらかじめ確認しておきたい。
以上のように、旅行積立にはデメリットや注意点がたくさんあるので、内容を吟味し、ご自分の旅行目的に合致することを確認してから申し込みたいものです。