コロナウイルス感染症拡大の影響で、各自動車メーカーの販売台数が伸び悩むなか、トヨタは2021年2月のグローバル販売実績で71万1698台、対前年比109.2%と過去最高を記録。軽自動車を除いた国内販売シェアは51.2%となった。軽自動車を含む国内販売でも5カ月連続の前年超えと、絶好調である。
この背景には、充実した販売ネットワークに加え、ユーザーが「欲しい!」と思うような商品ラインアップの豊富さにあるのはいうまでもない。2020年も、ヤリス、ヤリスクロス、ハリアーと人気モデルを続々導入。2021年2月の新車販売台数(軽・海外ブランドを除く)では1位のヤリスをはじめ、実にベスト10に8台もランクインしているのだ。
これだけ販売好調なトヨタだが、商品のラインアップ強化や商品力向上の手を緩めることはまったくないようだ。というのも今回、編集部は、今後のトヨタのフルモデルチェンジをはじめとした商品改良スケジュールの一部を入手した。その一部を紹介してみよう。
トヨタからは4月5日にGR86が発表されたばかりだが、現在トヨタ車の購入を考えている方は、ぜひとも参考にしていただきたい。
アクアは約9年半ぶりに世代交代、3ナンバーサイズとなり質感向上!
まず紹介するのは、もっとも大きなトピックスとなりそうなフルモデルチェンジだ。トヨタでは今夏までに、2車種のフルモデルチェンジが予定されている模様。まずはハイブリッドコンパクトカーのアクアだ。
トヨタのハイブリッド車のラインアップがすでにこれだけ充実しているなか、ハイブリッド専用車が必要なのか……との疑問もあろうが、アクアは約9年半ぶりに世代交代をおこなうよう。ボディは3ナンバーサイズへと拡大し、質感を向上させ上級モデルへとシフトする予定。搭載するハイブリッドシステムは、ヤリスと同じ1.5L直3エンジン+モーターで、駆動方式は従来の2WDに加えて4WDも用意されるとのこと。
注目の燃費性能は、実走行に近いWLTCモードで35.8km/Lまで延び、現行型より+6km/Lとなる。また、一部グレードには新開発のバイポーラニッケル電池を搭載し、EV走行可能速度域が約50km/hまで拡大するという。これは、“断捨離”して走行性能を高めたヤリスでは小さく、カローラスポーツでは大きい……といったような方にピッタリのクルマになるだろう。
今夏にはランドクルーザーが13年ぶりにフルモデルチェンジ!
続いてフルモデルチェンジを行うと予想されるのが、ランドクルーザー。こちらも今夏のようだ。
200系と呼ばれる現行モデルは2007年登場と、約13年半も販売されたロングセラーモデル。ランドクルーザーはオンオフを問わない高い走行性能で、日本をはじめ世界で人気の高いモデル。現行モデルは4.6L V8エンジンを搭載しているが、新型は排気量がダウンサイジングされ、3.5L V6ツインターボ、または3.3L V6クリーンディーゼルターボが搭載される予定だという。
現行型ランドクルーザーでも安定した人気を誇っているだけに、新型にも当然人気が集中し、納車までの期間が長くなるのではないか。気になる方は、ゴールデンウィーク明けとされる予約開始をチェックすべきだろう。
ヴェルファイアが1グレードのみに? 相次ぐ改良で商品力アップ
続いては、商品力向上を目指した一部改良を紹介していこう。
まずこの4月、2月の新車販売台数で3位となっているアルファード/ヴェルファイアが、一部改良を行うようだ。法規対応として事故自動緊急通報機能の追加やオートライト機能の追加に加え、一部グレードの廃止、ボディカラー、装備の見直しなどが見込まれている。なかでも大きなポイントは、ヴェルファイアが1グレードのみの設定となることだろう。これは販売店全車種取扱いの影響であり、車種統合の第一歩といえるのではないか。
続いて6月にも、多くの車種が一部改良を行うようだ。内容的には事故自動緊急通報機能やオートライト機能の追加という法規対応とグレードの集約がメインとなるが、コンパクトミニバンのシエンタをはじめ、ハイブリッド車のプリウス、ランドクルーザープラド、そしてラージサイズミニバンのグランエースにおいても予定されている。
そして7月にはカローラシリーズの一部改良も予定されているようで、搭載する1.8Lガソリンエンジンが2Lへ変更される予定とのこと。その他、スタイリッシュSUVのC-HRに特別仕様車が設定されるなど、改良発表のスケジュールはかなり密な模様だ。
豊富な車種ラインアップに加えて、これだけの商品力アップを目指した改良を矢継ぎ早に行うことを考えると、トヨタ一強、盤石の体制は今後も続きそうである。
(文=編集部)