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総会屋なき荒れない株主総会はつまらない?不毛な質疑応答、内輪もめの議論…

文=島野清志/評論家
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 開会30分前だったが、さすがに51万人以上の株主を抱える巨大企業で、株主番号は2000番台だった。会場の最前列に空席を見つけて素早く着席する。

 質疑応答では、まず会場外のビラ配布グループへの批判が一番手で、次に名古屋製鉄所での事故に対する批判があった。この株主は、長々と発言をして議長(進藤孝生社長)からたしなめられる。次いで挙手すると、好位置もあって、すんなりと指名を受けた。

 内容は、商船三井と同様に連結売上高の中国市場の割合だ。担当取締役から連結売上高の数%程度との回答と、その内訳について説明があった。どうやら、同社の対中依存度は低いようだ。

 それ以降は社外取締役の適性、業績見通しの開示要求と続いた後、冒頭のビラ配布への批判に対する応酬というべきか、元従業員という株主から企業批判があった。これも長い発言で、会場から「会社のことは会社内でやれ」とヤジが飛んだ。

 ただ、質問者も批判する側も今ひとつ迫力が感じられないせいか、緊迫した雰囲気にはならない。ここまでで2時間近くが経過して所用の時間が迫ってきたために、受付でお土産のリーフパイをいただいて中座した。

東武鉄道(6月26日10時/東武ホテルレバント東京)

 こちらも10余年前の総会では、系列の労働組合が横断幕を広げるなど騒然としていたが、最寄りの錦糸町駅から会場のホテルまでの道のりは至って静かだった。

 ホテルの4階の会場まで、担当社員の笑顔に迎えられる。総会は順調に進み、質疑応答へ。ほかの2つの総会と比べて挙手する人が多く、5人の株主が次々にマイクの前に立ったが、出席したことを次第に後悔し始めた。

 内容が運行トラブルの対応への批判、某駅への急行停車の希望、乗客のマナーや乗務員のアナウンスへの苦情などで、鉄道会社と沿線住民の対話集会のようなのだ。

 気後れしながらも挙手を続け、筆者は6番目に指名された。「関係の深い武蔵学園(東武鉄道初代社長の根津嘉一郎が創立)の活用、とりわけ十分に実力がありながら認知度が今ひとつの武蔵大学のバックアップをしてはどうか」と提案した。

 この質問には、議長(根津嘉澄社長)自ら「学校法人は独立採算性なので、企業グループとしての支援は難しい」と回答があった。筆者の準備不足もあり、愚問だったようだ。

 それ以降も、過去の都営地下鉄との相互乗り入れ計画の進捗状況、系列バス事業の充実など、沿線株主の質問が相次いだが、正午を過ぎた頃、午後の所用のために中座した。すでに、会場の後方では空席が目立った。

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