ニッポンレンタカー「特割ワンウェイ」はちょっと不親切
より汎用性の高いサービスを行っているのが、ニッポンレンタカーだ。2017年に「ワンウェイレンタル格安プラン」として首都圏限定でスタートし、現在はスマートフォン用アプリを使用する「特割ワンウェイ」を展開している。
出発または返却の営業所を指定すると、利用できる車種の一覧が表示される。東京~関西間に限定されているトヨタレンタカーに比べ、利用できる地域の選択肢が広いのは大きな魅力。ただ、日時や車種は運まかせであることは変わりない。
また、出発店舗での検索が難しいのも難点だ。こちらも出発店舗は他の客が乗り捨てた店舗に限定されるわけだが、近隣の営業所を1軒ずつ調べていくのは実に面倒だ。
一方で到着店舗は、ある程度の範囲内であればOKという設定になっているようで、東京23区内の店舗を指定すれば、ある程度の数が見つかることが多い。検索する際は、到着店舗を指定して探したほうが、希望のプランを見つけやすいだろう。
このニッポンレンタカーの「特割ワンウェイ」を実際に予約して、利用してみた。使ったのは6月下旬。出発は栃木県、到着は宮城県の営業所だ。
出発店舗に到着して戸惑ったのが、店員さんの準備がまったくされていなかったこと。これは筆者が悪いのだが、出発店舗に到着したら、アプリで来店を通知するというシステムを認識していなかった。これで自動的に通知がいくようだ。
ただそれにしても、その後の対応には疑問が残った。アプリで、特割ワンウェイの予約をしたと伝えても、よくわからない様子。15分ほど待たされて、ようやく車のカギを渡されるが、免許証を確認し、車の場所を教えられただけで、あとはなんのの説明もない。
料金はアプリとクレジットカードが連動しているので自動的に引き落とされるものの、車の傷の確認も、事故の場合の説明も、到着先の営業所の場所も、まったく案内がない。50メートルほど離れた場所へ1人で行かされ、止まっていた車に近寄ってみると、洗車もされていなかった。
利用料金は9時間使って1080円という破格の料金だったので「安かろう悪かろう」というサービスなのであれば納得はするのだが、ならば事前にそういう案内があるとありがたいところだ。
格安料金とセルフサービス、自己責任が徹底しているあたりは、飛行機のLCCに似た雰囲気も感じた。運まかせのサービスでもあるため、旅やレンタカーにある程度慣れている、上級者向けのプランといえるだろう。
(文=渡瀬基樹)
●渡瀬基樹(わたせ・もとき)
1976年、静岡県生まれ。ゴルフ雑誌、自動車雑誌などを経て、現在はフリーの編集者・ライター。自動車、野球、マンガ評論、神社仏閣、温泉、高速道路のSA・PAなど雑多なジャンルを扱います。