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メルカリ、時価総額半減…7期連続赤字で投資家から厳しい追及、黒字化のメド立たず

文=編集部
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 初値は7050円と公開価格(5800円)を上回った。7月12日に8120円まで上昇した。その後、株価は大暴落。株式公開時点で2800億円を超えていた時価総額は、387億円に崩落した。原因は中国子会社の不適切会計が発覚したこと。信用不安の瀬戸際に追い込まれたからだ。不適切会計を調査した第三者委員会の報告書によると、「中国子会社は買い戻しを保証した上で取引先に商品を納め、売上として計上していた」。ところが、取引先がつまずき、MTGに買い戻しを要請したことから、不適切な会計処理が公になった。

 問題の取引を見直した。19年9月期の連結決算の売上高予想は395億円。従来予想を115億円引き下げた。最終損益は85億円の赤字(18年9月期は40億円の黒字)となる見込みだ。過大な売上のノルマを防ぐ管理体制の欠如、会計知識に通じた人材の不足。不適切会計は急成長してきたMTGの弱点を露にした。

 東京証券取引所などを傘下に持つ日本取引所グループ(JPX)が、新規公開手続きを厳格にしている。証券会社や監査法人に上場申請時の引き受け審査や指導の厳格化を要請したのは、MTGが上場後1年たたずに、不適切会計を公表したからだといわれている。「投資家の信頼を損なう事例」としてJPXは重く受け止めている。

ソフトバンク、公開価格を下回る

 巨大投資ファンド化するSBGは、世界のIT企業への投資を通じて時価総額最大化を狙うが、足元が揺らいでいる。

 18年12月19日、SBGの国内通信子会社ソフトバンクが東証1部に新規上場した。初値は1463円と公開価格(1500円)を下回った。その後も、公開価格を上回ることは一度もなく、8月9日に一時、1509円をつけたのが最高だ。しかし、同日の終値は1495円で公開価格を下回ったままだ。終値ベースで公開価格を上回ったことは一度もない。株式専門紙は「9月末に初の中間配当が実施される。5%台後半の配当利回りを改めて意識」と大騒ぎしているが、市場の評価は厳しいものがある。

 前段があった。7月25日、ソフトバンクの株価は一時、前日比23円(2%)高の1466円50銭と、昨年12月の上場時の初値(1463円)を上回った。24日の取引終了後、発行済み株式総数の0.96%にあたる4600万株、740億円を上回る自社株買いを実施すると公表したからだ。それでも公開価格には届かなかった。

 8日に公開価格に接近したのは20年3月期決算の第1四半期(4~6月)実績の進捗率が30.2%と順調だったため、今3月期の連結営業利益予想(8900億円)が上振れするのではないかとの思惑からだ。公開価格で買った投資家の多くは、含み損は解消されていない。幹事証券会社の営業担当者が高齢の個人投資家にソフトバンク株を勧めたという実態も明らかになっている。元教師や公務員などが買わされている。

 SBGの孫正義社長はソフトバンク株式を36.8%売っただけで2兆6000億円のキャッシュを手にした。同社株が上場以来、終値ベースで一度も公開価格を上回らないことに対する個人投資家の苛立ちは、ピークに達しつつある。それは、悲鳴に近い。

(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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