大崎孝徳「なにが正しいのやら?」
米ボーイング社に行って、「想像を絶する」航空機ビジネスの裏側を聞いてきた!
文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授
ボーイングの強みとは?
ボーイングの強みといえば、まずは技術力に長けているということでしょう。次に、これは素人の筆者にはわからない領域でしたが、型式証明を取る能力が大きな強みになっているようです。型式証明とは、新たにつくられた航空機の型式の設計が、安全性や環境適合性の基準を満たしていることを証明するものです。
国ごとに決められている基準に細かな記載はなく、いわば大雑把になっているのですが、基準をクリアするには、長い歴史で培った技術や経験がものをいうとのことでした。
こうした航空機ビジネスのスケールの大きさ、外交をはじめとする政治力、経験に裏付けされた技術力などの話を聞くと、日本初のジェット旅客機であるMRJの立ち上げには、多くの難題が待ち受けているように感じます。しかし、そうした問題をクリアして、国際市場に大きく羽ばたいてほしいものです。
(文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授)