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さらに、今回ビールにペットボトルが採用された要因には、リサイクル率の向上が挙げられるという。PETボトルリサイクル推進協議会によると、2005年には61.7%だったペットボトル回収率が、13年には91.4%にまで増加した。使用後も資源として生かせる率が高まったことが、開発の追い風になったといえる。
ビールが私たちの手元に届くまでには、工場から家庭までの長い道のりがある。ビールの繊細さをカバーしながら、おいしさを閉じ込めることのできるハイバリアPETボトルの開発には、2年を要した。
また、定期的に厳選仕込みのビールが届くブルワリーオーナーズクラブのコンセプトに合わせると共に、プロダクトデザイナー・角田陽太氏が手がけたホームサーバーとも調和する、細かいボトルデザインにも対応している。
ハイバリアPETボトルの開発には、発泡性の液体に必要な耐圧性や、風味の維持に必要なバリア性などをクリアするために試行錯誤を重ねたという。
例えば、味やにおいが逃げにくい吸着抑制機能を有している。つまり、ボトル容器に味やにおいが移らないのだ。さらに、新しい技術を取り入れながら、通常のペットボトルと同様にリサイクルできる。
「実は、今回開発したハイバリアPETボトルは、ビールだけでなく、調味料やワイン、清酒、リキュールなどにも採用されています。現在は医薬など(ガラス瓶の代替用途)の採用に向けて、さらなる開発を進めています」(同)
ビールの歴史を振り返ると、樽、瓶、缶、そして今回のペットボトルというように、その容器は進化してきた。もともと、1800年代にヨーロッパでガラス容器が普及したことで、ビールの「見た目」が注目されるようになったという。そして、現代の私たちが飲んでいる、透明度が高く黄金色のピルスナービールが広く飲まれるようになったといわれる。
容器の進化は、ビールの文化をつくっていく。おいしさを閉じ込め、安定した品質を保って届けられるペットボトル入りのビールは、私たちの毎日を変えていくだろう。
(文=はたけあゆみ/フリーライター)
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