予約3カ月待ち…超人気ラム肉店「羊SUNRISE 」が“無敵のNo.1”の秘密

ラムバサダー

 前述したように現在、19カ所の羊飼いと契約しているという関澤氏だが、それでも国産の羊は数に限りがある。そのうえ、ラムブームともいえる現在、都内でもラムを提供する店は月に2~3店舗の割合で増えているという。

「同じ業態の店を全体で見ると、ラム肉の99%は海外産に頼っているのが現状です。国産だけではラム肉は足りなくなる日がくると思います。そこで、当店では海外産も扱うようになりました。輸入ラム肉といえば、オーストラリア、ニュージーランド産がその多くを占めるのですが、輸入に関わっている商社にもラム肉に詳しい人がいなかったので、『それなら自分で』と、オーストラリアの羊飼いにも会いに行きました」

 オーストラリアの視察が縁となり、関澤氏は「ラムバサダー」に任命された。ラムバサダーとは、さまざまな角度からオージー・ラムの魅力を発信することを任務としている。日本では現在、22人のラムバサダーが活躍している。そんな羊を深く知る関澤氏が仕入れる海外産ラム肉は、確かに美味である。

羊1頭を使い切る

 羊を愛する関澤氏は、羊の命を可能な限り無駄にしたくないと話す。

「羊1頭を屠畜した後も皮が残ります。羊飼いが手塩にかけて育てた羊を無駄にしたくないと思い、羊の皮を使ったカバンやライダースなどを試作中です」

“何も無駄にしたくない”との意味から、ブランド名は「Waste not, Want not.」とする。まだ試作段階ではあるが、ブランドの公式オープンも間近だという。

 今年1月には、麻布十番に続く2号店となる「TEPPAN羊SUNRISE」をオープンし、こちらも連日賑わいを見せている。関澤氏がこよなく愛するのは羊だけでなく、客に対しても同様である。来店した客には必ず名刺を手渡し、LINEや電話での連絡を受けるようにしているという。

「多くのお客様に足を運んでいただいていますが、予約が取りにくいのが現状です。直接、ご連絡いただければ、できる限り入店いただけるように日時のご相談をさせていただいています」

 商社よりも多くラムの仕入れルートを持つ関澤氏は、同業者にもそのルートを紹介するなど、業界全体の成長を考えている。

「将来的には、私自身が卸的な役割をして、多くの店が上質なラム肉を提供できる環境をつくるという方法もありかなと考えています。そうなると、フランチャイズ的なものがいいのかなどと、現在、思案中です」

 近い将来、羊SUNRISEのラム肉を日本全国で食べることができるようになり、さらには、日本の食文化が大きく変わっていくかもしれない。
(文=道明寺美清/ライター)

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