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すみ分け崩壊で容赦ない潰し合い!金融業界、サバイバル再編勃発

文=編集部
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金融庁主導

「経営統合は重要な選択肢」。

 金融庁は2年ほど前から、地銀トップに対しことあるごとに「再編」を迫ってきた。

 金融庁が想定している地銀再編は、「ふくおかFG方式」と呼ばれる、広域合併である。持ち株会社ふくおかFGのもとに、九州最大の地銀である福岡銀行、親和銀行、第2地銀の熊本銀行がぶら下がる。

 14年10月、東京都民銀行と八千代銀行が統合して東京TY FGが発足。16年4月に新銀行東京を統合する予定だ。15年10月には肥後銀行(熊本)と鹿児島銀行の両県のトップ地銀が経営統合して九州FGがスタートした。

 加えて、16年4月には横浜銀行と第2地銀の東日本銀行が統合してコンコルディアFGが誕生する。四国地区の香川銀行と徳島銀行が一緒になるトモニホールディングスは16年4月、大正銀行(大阪)と統合する。トモニの大阪侵攻である。

 常陽銀と足利HDも広域統合だが、北関東が地盤で、いずれ人口減少の打撃は免れない。今後、いかにして首都圏に攻めていくかが経営課題となる。

 関東地区の地銀は、神奈川に旧大蔵省色が強い横浜銀、埼玉はりそなHD傘下の埼玉りそな銀行、千葉は千葉銀、茨城は常陽銀、栃木は足利銀、群馬は群馬銀が一国一城の主として君臨してきた。ほかの地区ほど顕著ではないが、人口減、産業衰退は容赦なく押し寄せてくる。メガバンクの間で埋没しないためにも、地銀同士が連係して規模を拡大するしか生きる道はない。

 かねてから、地銀首位の横浜銀に対抗するため、千葉銀と常陽銀が手を組むとの観測があった。東京三菱UFJ銀が千葉銀の4.0%、常陽銀の3.7%を保有する事実上の筆頭株主(自社株口、信託口を除く)だからだ。常陽銀と足利HDの統合をバネに、東京三菱UFJ銀系の関東系地銀である千葉銀、常陽銀、足利HDの大同団結が図られる、との見方が浮上してきたとしても不思議ではない。

 コンコルディアFGに大差をつけられ、常陽銀=足利HD連合にも抜かれた千葉銀がどう出るのかが、今後の焦点だ。千葉銀がどういった青写真を描いているのかに、金融業界の関心が集まる。

メガバンクの動き

 11月4日に東証1部に上場する、ゆうちょ銀行の業務拡大が認可される可能性が高い。そうなると地銀への影響は大きい。

 金融庁は7月に発表したレポートで、18年3月期の経常利益が14年同期の半分以下になる地域銀行が2割あると、経営の持続性に警鐘を鳴らした。

 みずほFGは系列地銀の保有株式を削減している。14年度には愛媛銀行、南日本銀行(鹿児島市)など地銀8行の保有株を減らした。自己資本比率の高い地銀は、みずほFGが持ち合い解消で売った株式を自社買いする余裕があるが、そうでない場合は、「再編予備軍」になる。

BusinessJournal編集部

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