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企業がターンアラウンド・フェーズにある時は、イースターブルック氏のように新経営者のほうがふさわしい。そして、何より危機感を持っていなければならない。その危機感によってこそ、思いついた大胆な戦略に断固として着手することができる。そして大胆な戦略とは、メリハリを利かせた選択ということにほかならない。
日本マクドナルドHDの株式譲渡は1000億円規模のディールだといわれている。イースターブルック氏はこのキャッシュを前述4種市場のうち「高成長が期待できる市場」に投入しようとしていることは間違いない。市場の期待もそこにある。
日本マクドナルドHDの帰趨は
前出記事で私は、「苦境に陥っているFC店法人が、投資ファンドと組んで日本マクドナルド社の買収にかかれ」とひとつの選択肢を示した。今回来日した本社側デレゲーション(役員陣)が接触を持ったのは、まさに投資ファンドや商社だという。
加えて同記事では、日本マクドナルドHD株式53%(本社所有分)なら2000億円も提示すれば買収できるのでは、とも踏み込んでもいるが、今回は30%程を1000億円程度で売却ということだ。野望に燃える米本社の新CEOへ着任時に日本側から提案していれば飛びついていたのではないか。そして同記事の結びはこうだ。
「『起こってしまうと、必然だったように見える』というのは、多くの経営現場で筆者が経験してきたことでもある」
どこが優先交渉権を得て、日本マクドナルドHDの株主構成がどう変わるのか、つまり経営権がどこに落ち着くのか大変興味が持たれる。いずれにせよ、日本のオペレーションは現経営陣では袋小路に入ってしまったような状態である。外部の辣腕経営者の登場を待ちたい。外食産業からの人材でないほうがいい気がする。ちなみに故藤田田氏(創業者)も原田氏も、他業界出身の経営者だった。
(文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント)
※ 本連載記事が『間違いだらけのビジネス戦略』(クロスメディアパブリッシング/山田修)として、2015年11月13日に発売されました。
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