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この考え方は日本でも例外ではなかった。前社長の原田泳幸氏が日本マクドナルドHD社長に就任した2004年末時点の直営店の割合は7割を超えていた。原田氏は、直営店の割合を3割程度まで下げて、フランチャイズ店を7割近くにまで高めた。現在でもこの割合は維持されている。
マクドナルド本体が得られる1店舗当たりの売上総利益は、フランチャイズ店よりも直営店のほうが圧倒的に大きい。例えば10年時点のフランチャイズ店から得られた1店舗当たりの売上総利益は年間約1200万円だが、直営店では約3200万円にもなっている。圧倒的に直営店のほうが儲かるのだ。それでもフランチャイズ店を7割近くにまで拡大した理由のひとつは、従業員に活力を与えてサービス品質を高めることにあった。サービス品質が高まれば顧客満足が高まり、売り上げと利益は後からついてくるという考え方だ。
しかし、これは全体としての統率が取れていてこそ機能する。苦戦が伝えられている今は、逆に現場の従業員の活力を奪ってしまっている。強みであるはずのピープルビジネスが崩壊の危機に瀕しているといえる。マクドナルドの復活は、現場に活力が戻り、元気な挨拶と笑顔の対応が戻ってくることからしか始まらないのではないだろうか。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)
●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。
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