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「味と品質にこだわりすぎの」モス、マックを蹴散らす…非効率経営でも業績絶好調の秘密

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

 もちろん、モスバーガーが扱う野菜は普通の野菜ではない。たとえば、モスバーガーの象徴的な野菜であるトマトは大きめで糖度や酸味のある「L型優良トマト」を使用している。しかし、L型優良トマトは夏場以降になると品薄になってしまう。季節によって品質が変わってしまうのは致命的である。そこで、L型優良トマトの安定した調達を実現するためにサングレイスが設立されたのだ。モスバーガーと生産者が協力して、供給する野菜の品質向上に努めている。

 外食産業の市場規模は97年の29兆円をピークに右肩下がりの下降線をたどっている。代わりに台頭しているのが中食産業だ。外食するのではなく、コンビニエンスストアなどで調理済みの食品を買って自宅で食べるという消費者のライフスタイルの志向が強まっている。中食産業の市場規模は拡大している。特にコンビニの台頭は外食産業の大きな脅威となっている。

 だがモスバーガーは、こうしたコンビニの脅威にも屈していない。外食産業にできてコンビニにできないことを考えてきた。櫻田氏はビジネス誌「2020 Value creator」(VALUE CREATOR社/353号)において、「手づくり感や新鮮さ、それから材料をカスタマイズするということが、コンビニには絶対にできないことなのだ。これが外食産業が生き残っていくひとつのパワーになる」と述べている。

 モスバーガーは商品を開発するにあたり、並々ならぬ手間をかけている。消費者が求める商品を提供することに努力を惜しまない。こうした姿勢が創業から今に至るまでブレることなく続けられてきたことが、現在の好業績を生み出しているといえるだろう。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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