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垣田達哉「もうダマされない」

ココイチ、本社食堂の残飯も工場廃棄物と一緒に廃棄委託…HP上で公表品以外も

文=垣田達哉/消費者問題研究所代表

【質問2】
 2月25日、行政(消費者庁等)は、貴社が公表していた6品目以外にも、カレールー、パン粉、冷凍肉も日常的にダイコーに廃棄依頼をしていたと発表しました。ナポリタンソースとラーメンスープは、不正転売が確認されていない段階で、廃棄処理を委託した製品として貴社は発表されています。なぜ貴社は当初、ダイコーに依頼していたのは6品目のみだと発表されたのでしょうか。

壱番屋の回答】
 当該リリースは、製品としてパッケージングまでされた状態で廃棄したものを公表したものであり、まさに「ゴミ」の形状である(上記の)(2)、(3)については、小売店の店頭に並ぶことは考えられないため、これに含んでおりませんが、冒頭記述の通り各報道機関へはダイコー株式会社へ廃棄依頼したものの全てを別紙の通り、補足として配布しております。

【筆者見解】
 別紙には、平成28年1月15日付「ダイコー株式会社による不正転売の補足情報」として、6品目以外の廃棄物も一覧で掲載されている。報道機関は、カレールーやパン粉、冷凍肉もダイコーに委託していたことを知っていたが、それを報道しなかっただけだということになる。

 この別紙は壱番屋のホームページには掲載されていないので、同社に問い合わせない限り消費者は知ることができない情報だ。消費者にしてみると、あとから次々と公表されると「何かまだ隠していることがあるのではないか」と疑ってしまう。

【質問3】
 ダイコーへの運搬料と委託料の金額をご教示いただけますでしょうか。

【壱番屋の回答】
 個別取引に関することであり、愛知県警による捜査との関係もあることから、具体的な金額の開示はしておりませんが相場水準内の単価で廃棄を依頼しており、一部で言われているような「激安」な価格とは全く異なります。

【筆者見解】
 一部マスコミ報道は間違いだと主張しているが、料金については公表できないという。これでは、「都合が悪いことは公表しないのでは」という疑問を持ってしまう。

 廃棄カツのケースでは、廃棄物処理法に基づきマニフェストと呼ばれる管理票に処理内容が記載されていたが、その内容の真偽が確認されることはなかった。行政が立ち入り調査をしても、処理能力を超える委託を請け負っていたことも確認できず、隠し倉庫も発見できなかった。廃棄ローストビーフでは、産棄物処理業者に処理を委託したかどうかも確認していなかった。

垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

1953年岐阜市生まれ。77年慶應義塾大学商学部卒業。食品問題のプロフェッショナル。放射能汚染、中国食品、O157、鳥インフルエンザ問題などの食の安全や、食育、食品表示問題の第一人者として、テレビ、新聞、雑誌、講演などで活躍する。『ビートたけしのTVタックル』『世界一受けたい授業』『クローズアップ現代』など、テレビでもおなじみの食の安全の探求者。新刊『面白いほどよくわかる「食品表示」』(商業界)、『選ぶならこっち!』(WAVE出版)、『買ってはいけない4~7』(金曜日)など著書多数。

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