ポケモンGOは外に出て遊ぶゲームなので、飲料や靴など幅広い業種への恩恵が期待されるとの見方が浮上、ポケモンGOがもたらす経済効果を意味する「Pokeconomy」(ポケコノミー)」や「ポケモノミクス」という新語が使われ始めた。ポケモンGOやポケモノミクスは、今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補になるかもしれない。
半面、ミクシィやガンホー・オンライン・エンターテイメントなど、スマホ向けゲームを手掛ける先発企業の株価は大幅安となった。国内のスマホゲーム市場で任天堂の存在感が増し、これまで任天堂を圧倒してきたスマホ向けゲームメーカーが沈むことになり、勢力地図が塗り変わるとの思惑が、投資家に働いた。
ポケモンGOは、新しい技術がビッグビジネスへと変貌する可能性を示した。ポケモノミクスがどこまで広がりを見せるかに注目したい。
ポケモンGO関連銘柄を総まくり
ゲーム内で、ピカチュウなど151種類のモンスターを捕まえるための道具を入手できる場所「ポケストップ」関連銘柄も急騰した。代表例は7月20日にポケモンGOとのコラボレーションを発表した日本マクドナルドホールディングス(HD)だ。7月21日に15年ぶりの高値を記録、22日にはマクドナルドの店舗がポケモンGOユーザーでごった返した。国内の2900店をポケモンGOの遊び場として提供したからだ。
日本マクドナルドHDの株価は、7月21日に年初来高値の3875円をつけ、7月6日の2945円に比べると32%も上昇したが、7月29日の終値は3135円で2割安くなった。
任天堂の株価が高すぎて買えなかった投資家がポケモンGOの関連株を、目をつぶって買ったという側面があるようだ。
エスケイジャパンはポケモンのぬいぐるみの版権を持ち、関連グッズを販売している。連想ゲーム状態で株価は298円から667円へと2.2倍に跳ね上がったが、7月29日の終値は367円へとピーク時のほぼ半値に落ちた。
ミツミ電機は思惑で株価が動いた。ポケモンGOに連動する小型機器「ポケモンGOプラス」を受託生産するとの噂が広がり、7月27日には高くなった。ポケモンGOプラスが子供用玩具の安全基準を満たしていることを示す証明書を任天堂の米国法人が公開したが、ここに記載された商品の製造場所の住所が、ミツミ電機の中国の拠点のひとつと一致したため、「ポケモンGOプラスの製造委託先はミツミ電機だ」という情報が駆け巡った。