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江間正和「飲食業界を“数字と現場”で科学する」

クラフトビール、ブーム到来!オシャレ&本格的お店が続々登場!店経営の成功のカギ

文=江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部代表

 さて、「その次」です。焼酎ブームが冷めていった前述の3つの理由を逆の発想で考えてみます。

(1)国内外含めて種類が多い
(2)醸造系、日本人が好きそうな味わいや旨み系のお酒
(3)時季によって味わいが変わる

 この条件に、クラフトビールはビンゴ!します。「ビーラー」と呼ばれるビールばかり飲む人もいるように、ビールはすでに日本人に馴染んでいます。「造り手の味わい」を楽しめることをみなさんは好みます。「オリジナリティ」の強いものや「希少性」あるもの、「そこにしかないもの」にみなさんの好奇心のアンテナは反応します。クラフトビールは一過性のブームでなく、その後定着するものでもあると予想しています。

飲食店側の成功のカギ

 さて、はやるためには提供側にあたる飲食店からの見方も重要です。今回は、クラフトビール情報サイト「CRAFT DRINKS」を運営する沖俊彦氏に話をお伺いしながら、飲食店側のメリット・デメリット・注意点等ポイントをまとめてみました。

(1)価格・原価率

 国産クラフトUSパイント(約470ml)1杯1000円の売値が相場に思えます。原価率は33~40%くらいになります。通常の生ビールよりもクラフトビールは原価が高いので、容量に変化をつけるのもひとつの方法です。

 東京都内のビアパブによくある設定として、客単価2500~3500円で「2ドリンク、1~2フード」。早い時間はちょい飲み・1人客にも対応しつつ、コアタイムはグループに対してがっつり系フードも用意し組単価向上を狙っています。そのほかのドリンクやフードもすべて均して原価率30~35%が目標でしょう。ハーフサイズを高めに設定し大きいサイズのお得感を演出、そちらになるべく誘導して消費量アップ=樽の回転を上げることを意識します。

(2)オペレーション・取り扱い・保管

 飲食店のコアタイムは限られているので、事前のトラブル回避としてサーバーのセッティングが大事です。適切なガス圧と流速で、安定的に注ぐことがオペレーション安定に寄与します。醸造所から直接仕入れることも大事です。クラフトビールの多くが無濾過非加熱にもかかわらず、中間流通、つまり問屋・酒販店が定温保管・定温流通できていないことが多いためです。

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

東京未来倶楽部(株)代表
5年間大手信託銀行のファンドマネージャーとして勤務後、1998年独立。14年間、夜は直営店(新宿20坪30席)ダイニングバーの現場に出続けながら、昼間、プロデューサー・コンサル業。コンサル先の増加と好業績先の次の展開のため、2012年5月からプロデューサー・コンサル業に専念。
「数字(経営者側)と現場(スタッフ・オペレーション)の融合」「各種アイデア・提案」が得意。また、現場とのメニュー開発等、自称<「実践」料理研究家>。
・著書:『ランチは儲からない、飲み放題は儲かる』『とりあえず生!が儲かるワケ』『ド素人OLが飲食店を開業しちゃダメですか?』

Instagram:@masakazuema

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