年収5千万の国会議員、大臣や大臣政務官等は追加で2千万…役職分のみで年17億円税金投入
閣僚名簿の役職に並ぶ「担当」の異常な多さ
8月3日に第3次安倍再改造内閣が発足しました。安倍晋三首相のほか、8人が留任、12人が新任であり、国務大臣(閣僚)の合計は20人ということになります。ちなみに、年間の報酬総額はざっと5億5000万円になります。
こんなに閣僚の人数がいるなら、2001年に中央省庁を再編し縦割り行政の弊害をなくす目的で1府22省庁を1府12省庁にした意味がどこにあるのかと疑問を感じますが、人口が日本の約2.5倍のアメリカ政府の閣僚数が23人、人口が日本の約半分のイギリスでは閣僚数は22人なので、日本の閣僚数が一概に多いとはいえないようです。
今回の改造内閣で目につくのは、特命大臣だけでなく所管のある大臣にまで、以下のようにあれこれ兼務する「担当」という名称が数多く付けられている点です。
「デフレ脱却」「1億総活躍」「働き方改革」「拉致問題」「地方創生」「五輪」「マイナンバー制度」「教育再生」「産業競争力」「原子力防災」「原子力経済被害」「原子力損害賠償」「廃炉等支援機構」「水循環政策」「沖縄基地負担軽減」「福島原発事故再生総括」「海洋政策」「領土問題」「国土強靭化」「消費者及び食品安全」「クールジャパン戦略」「知的財産戦略」「科学技術政策」「宇宙政策」「IT政策」「社会保障・税一体改革」「女性活躍」「再チャレンジ」「少子化対策」「男女共同参画」「規制改革」「まち・ひと・しごと創生」「国家公務員制度」
こうみると、真面目なテーマでも安売りのスローガンに見えてくるのですから不思議です。
口先だけのスローガンの虚しさ
ちなみに、「男女共同参画」は00年の第1次森喜朗内閣に端を発し、「少子化対策」は03年の第2次小泉改造内閣以降から続いているわけですが、これまでにいったいどんな成果が上がったのでしょうか。「題目」だけを空々しく掲げ、その対策の中身すら皆目見えてこないのですから笑止千万なわけなのです。
「再チャレンジ」「1億総活躍」「働き方改革」「女性活躍」などとゴタクを並べたところで、1984年に全雇用者の15.3%しかいなかった不安定な非正規雇用が、今や40%にも上り(2014年1962万人)、年々増加しているのですから、何をかいわんやでしょう。「1億総活躍」と聞いて、戦前の「国家総動員」や「1億火の玉」のスローガンを思い浮かべた高齢者の方も多いほどなのです。