年収5千万の国会議員、大臣や大臣政務官等は追加で2千万…役職分のみで年17億円税金投入
事務方の最高ポストである「事務次官」(現行俸給月額117万円、期末手当などを含めて年収2200万円)になぞらえて、国会議員に名前だけ政務次官と称させ、大臣の下にぶら下げたかたちの無駄な税金費消ポストにすぎなかったわけです。
こんなポストは本来なくすべきでしたが、政界というのは公務員同様「パーキンソンの法則」のロジックが如実に働く世界です。
これが1999年に「国会審議の活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する法律」という、もっともらしい大義名分を掲げた法律により、政府委員制度(国会答弁などで役所の上級官僚が大臣に代わって答弁していた)と政務次官ポストを廃止して、一気に複数の「副大臣」ポストと「大臣政務官」ポストを大量拡充し、税金費消メカニズムをさらに強化したのでした。
この法律を主導してつくったのが、剛腕政治家といわれた自由党時代の小沢一郎(現在は「生活の党と山本太郎となかまたち」)でした。政党助成金制度(95年スタート、15年度支給総額320億円)をつくった時もこの人が主導し大活躍しましたが、国会議員のあくなき待遇改善に政治生命を賭し、生涯を捧げた偉人といえる人なのです。
ちなみに内閣総理大臣の俸給月額は201万円(これに地域手当が2割近く加算され期末手当などを含めると年収約4000万円)、国務大臣が146万6000円(期末手当などを含め年収2700万円)ですが、この法律で新しく生まれた副大臣の現在の俸給月額は140万6000円(期末手当などを含め年収2300万円)です。
この副大臣の俸給月額は、なんと内閣法制局長官、宮内庁長官、公正取引委員会委員長、原子力規制委員会委員長らと同額です。副大臣は大臣と異なりSPは付きませんが、公用車と秘書1人(役人)まで付きます。とても重要な仕事だからというわけです。そして「大臣政務官」の俸給月額は119万9000円(期末手当などを含め年収2200万円)で、各省の事務方トップの事務次官や宮内庁侍従長と同額です。
国会議員としての年収が約5000万円(歳費と期末手当2196万円、文書通信交通滞在費1200万円、立法事務費780万円、政党交付金の分け前分約1000万円の合計でこうなる)あるうえに、副大臣や大臣政務官という特別職ができたおかげで、与党政治家なら当選2~3回目からのお楽しみポストがぐっと増えたというわけです。